SW. - Reminder Part Three

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  • 今年前半の特集記事Label Of The Monthで、SVNはパートナーであるSW.を「SUEDのテクノ担当」と称していた。もともとダンスミュージックに無関心なSVNは、多くのカテゴライズからこぼれていくような、小刻みな揺らぎを持つ楽曲を制作している。ところがSW.の作品はというと、クラシックなハウス/テクノから直に影響を受けており、彼が言うように「デトロイトやシカゴ、そしてイギリスの良質な作品を思い起こさせる(remind)もの」だ。そのため、彼のシリーズ作品は「Reminder」という名前なのだ。ある意味、この名前は同シリーズの真価を曇らせることになっている。なぜならSW.が最も従来型の音楽スタイルを取っている時でさえ、そのサウンドはその辺にいる多くのハウス/テクノアーティストよりむしろ新鮮で独自だからだ。 IDMスタイルのトラック2曲と瑞々しいハウストラック2曲を収録した「Reminder Part Three」はその最たる例だ。両面は同じアイデアをそれぞれ異なる形で提示したトラックであるかのようだ。AサイドにはMonolake『Hongkong』(英語サイト)の空気が漂っている。心安らぐパッドや混沌とした忙しないリズムなど、使われている素材はすべて、日常的なサウンドから作られた舞台(A1はラジオノイズ、A2は雨)の上に並べられている。Bサイドでは素晴らしくいびつなふたつのハウスグルーヴを聞くことができる。どちらのトラックもつんのめるリズム、メロウなコード、日暮れ時の心地よく暖かな空気を伴っている。キックドラムのガツンとした存在感によりB1の方が大きなインパクトだが、一方のB2にはより浮遊感がある。どちらもSW.とSUEDがこれまでに発表してきた素晴らしいトラック群の中に位置付けられる仕上がりだ。
  • Tracklist
      A1 Untitled A2 Untitled B1 Untitled B2 Untitled
RA