Lord Of The Isles - Clearness Of Love EP

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  • Permanent Vacationに提供したLord Of The Isles初のEP「301C Symphony」(英語サイト)から約2年、そして、最後にPhonicaから発表した12インチ「Greane / Gigha」(英語サイト)から1年を経て「Clearness Of Love」が到着した。本名、Neil McDonald、かつては多作だった40代のスコットランド人プロデューサーである彼が、リリーススケジュールを不意にストップしたと言えるのかもしれないが、音楽そのものが流れ出てくるのをストップした訳ではなかったようだ(そもそも、彼にとって音楽は常に趣味だった(英語サイト))。彼は先日、The Ransom Note(英語サイト)に対し「Clearness Of Love」と、トラック数曲の単発リリースに加えて、アルバムが完成間近である他、別途、2枚のEPを制作中であると語っていた。ここに挙げた4作品における瑞々しく、ファンキーで、未知なるハウスが、今後、何が起こるのかを示唆しているとするなら、McDonaldはまさに以前の音楽性を引き継いでいくと言えるだろう。 「Clearness Of Love」に関して最初に思うのは、そして、聞き終わった時に印象に残るのは、そこに詰め込まれた相当な数のメロディだ。キーボード、パッド、ベース、そして、粘着質な303のシーケンスを重ね合わせたフレーズとハーモニーでトラック全体が溢れている。今回、確実に役割を担っているのは、McDonaldが以前からずっと好んでいるアシッドサウンドだ。しかし、そのサウンドの外郭では後光が輝いている。"DYFM"がなめらかな圧搾音と共にスタートする時でさえ、「Don't you forget me」というマントラのようなボイスサンプルと柔らかなコードが放つ輝きにより、同サウンドがすぐに和らげられている。"Bodyswerve"と"Clearness Of Love"も同様の路線上を展開しており、スペーシーなディレイ、簡素なドラムパターン、分厚いローエンド、そして、数えきれないほどのシンセパッチを繋ぎ合わせて、初期のハウスとIDMを横断するようなサウンドを生み出している。"All I Need"はダンスフロア向きであるわけではないが、調子を抑えたBPM110の枠組み内で効果的に用いた(そして、なぜか安っぽさを感じさせない)パンフルートと巨大なベースラインによって抜きん出ており、「Clearness Of Love」にふさわしいドリーミーなエンディングを演出している。
  • Tracklist
      A1 Clearness Of Love A2 DYFM B1 Bodyswerve B2 All I Need
RA