Keita Sano - Marin California

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  • 岡山のKeita Sanoは、専門分野を持たないことを専門にしており、ハウス/テクノにおける領域を他とは異なるスタイルで縦横無尽に駆け巡っている。今年だけでも彼はすでに5、6作品をリリースしているが、各トラック独自に探求し、1080pから発表した11曲入りのカセットもその中に含まれている。彼の創作物に高度な技術が欠けていることは決してないが、Sanoは創作物をわざわざ改善していこうとしていないように思う。彼は新鮮な疑問を投げかけるだけ投げかけて、そのまま次の場所に進んでいるかのようだ。 アテネのレーベルLower Partsに提供した今回のEPでは、Sanoのダークサウンドにおける最深部に至っており、想像力を豊富に打ち出している。小さな球形ベースと跳ねまわるビートを綱引きで勝負させる"Marin California"と、朝焼けの光が注ぎ込む眠たげなダブテクノトラック"7AM"(相応しい曲名だ)を照らし合わせてみよう。両トラック共にかなり異なるアイデアを巧みに処理しており、同じ12インチに同時収録されることでますます面白くなっている。本作で最も素晴らしいのは"Chaotic Death Strike"だ。Levon Vincentがポスト核時代に鳴らしそうな殺伐としたハウスの鼓動上に、心地よいフィードバック音の軌跡が漂っている。最も奇妙なトラックは"VvvXvvV"だ。Actressの『Ghettoville』から取り出し、ピッチを落とした不吉なドラムループがゆっくりとハウスの動きを取り込んでいく。完ぺきに唸らされるというより、好奇心をかき立てると言った方が近いが、Sanoが行うことすべてと同じように、『Marin California』は「好奇心をかき立てる」ことをハイアートにまで昇華させている。
  • Tracklist
      A1 Marin California A2 Chaotic Death Strike B1 7AM B2 VvvXvvV
RA