Merle - 2000 (And We're Still Here)

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  • MerleはかつてMerwyn Sandersが使っていた名義だ。彼はVirgo Fourの設立者のひとりとして知られている。彼の「2000 (And We're Still Here)」は、もともと1999年末にChristabel Recordsからリリースされた12インチで、ディスコの影響を取り入れた陽気なハウスミュージック4曲を収録していた。今回、ChicagoのレーベルStripped & Chewedから発表される同タイトルの待望の再発盤には、ボーナストラックとして"Beautiful"を、そして、若干変更を加えた"Fannie Likes 2 Dance"の別バージョン"Mimi Likes 2 Dance"がフィーチャーされている。原曲のタイトルと歌詞は、当時、Sandersと恋愛関係にあった女性を参照していたが、再発盤バージョンでは現在の妻に対する感動的なトリビュートになっている。 タイトルトラック"2000"では、ソウルフルなボーカルのフックが、擦り減ったハイハットとシンプルなギターリフに結び付けられているのだが、それほど上手く処理されておらず、生半可な結果になっている。対照的に"You Make Me Laugh"は磨き抜かれた印象に仕上がっており、遊び心のあるバウンス感は、オルガンの旋律と反復するホーンのサンプルによって中和されている。Aサイドを締めくくる"Forever Yours"では、少しではあるが掴みどころが増えている。Chic風のギターサウンドを躍動するベースラインとスウィングするパーカッションに組み合わせた、実直なまでにファンキーなトラックだ。未発表音源である"Beautiful"は、ディープでレトロなハウスを好むDJに狙いを定めている。風通しのいいパッドがパンチのあるリズムに加えられる結果、他のトラックにも引けを取らない出来に仕上がっている。 "Mimi Likes 2 Dance"では、ローファイな魅力が幾分失われてしまっていると言っても差し支えないだろう。オリジナルバージョンに馴染みがある人は特にそう感じるのではないだろうか。再録音されたきらびやかなボーカルは、ラフな印象のインストに対してぎこちなさそうに収まっている。その後追加される木琴も余計であることは言うまでもない。不満に思う点はあるものの、本作が傑出した作品であることに変わりはなく、ビンテージなハウスがディスコの伝統である感性と構造をもって柔らかく切り出されている。
  • Tracklist
      A1 2000 (And We're Still Here) A2 You Make Me Laugh A3 Forever Yours B1 Mimi Likes 2 Dance B2 Beautiful
RA