Mountain People - Mountain 011

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  • Mountain Peopleよりも躍動感のある重心低めのハウスを制作している人はなかなかいない。スイス人ふたりから成るこのグループは2006年から2010年の間に数々のレコードを発表した。いずれも長尺のダビーなミニマルトラックで、RebootからRicardo Villalobosまであらゆる人にプレイされた。当時のハウスシーンの様子は現在とは異なり、グルーヴと機能性が最も尊ばれ、ダンスミュージックで最も人気を集めていたレーベルの中には、Get Physical、Oslo、Mobilleなどのドイツのレーベルが含まれていた。ループを基調にした夏向けのサウンドの中でも品のある方向性に進んでいたMountain Peopleだが、もし彼らが今デビューしていたら、同じような認知度を得ていたかどうかは分からない。かつてのサウンドの栄光の日々は過ぎ去ってしまったが、むしろそのことによって、Mountain Peopleが新作でどんなことをやっているのか、興味深くなる。 「Mountain 011」に収録されたトラック2曲が最近制作されたものなのか、2000年代後半に既に作られていたものなのかは分からない。これまでのMountain Peopleのリリースと同じく、両トラックも同じ素材から制作されている。どちらも低域の効いた躍動感のある長尺トラックとなっていることは、DJに長く愛される音楽の証だが、さらに両トラックは際立ったムードを持っている。"011.2"は、しゃきっとしたドラムとドリーミーなコードスタブ、そして、キャッチーな女性ボーカルの断片により、鮮明でポジティブなトラックに仕上がっている。"011.1"は素材を削ぎ落としたダークなトラックだ。ぶくぶくと沸き立つ迫力のベースラインに焦点をあてており、満員のダンスフロアでプレイするには便利な1曲だ。もちろん、そこでは上質のサウンドシステムが重要となることは言うまでもない。
  • Tracklist
      A1 Mountain 011.1 B1 Mountain 011.2
RA