Matthias Reiling - Gefällt Mir Nicht Mehr

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  • Giegling作品のほとんどがそうだが、Matthias Reilingの音楽も陰鬱としていながら美しい。彼は本名名義ではそれほど多くの音楽をリリースしていないが、ファンク、ハウス、ダウンテンポ、インストゥルメンタル・ヒップホップなど彼の音楽には素晴らしく幅がある。彼はディスコに傾倒した2人組ユニットであるSession Victimとして音楽をリリースすることがほとんどだが、今回、彼は音数を抑えた絶妙なスタイルでGieglingに帰って来た。 「Gefällt Mir Nicht Mehr」のAサイドには気だるい魅力の詰まった簡素なトラック4曲が、そして、Bサイドには旋回するハウストラック2曲が収録されている。まず、ムードは孤独な印象からスタートする。ピアノと爪弾かれるベースを除いて、"Is Anybody There"は美しく孤立している印象だ。オルタナティブ・メタルバンドのHelmetをカバーした"Speechless"は、くぐもったキックドラムを原動力としている。"On A Pale Horse"では、ヒップホップ寄りのビートが披露されている。本作のハイライトは静かに震えるピアノを用いたAサイドのラストトラック"Silverhope Rd."だ。Bサイドのトラック"Warm Down"はエネルギッシュだ。どんよりとした空の下でハウスビートが轟き、続く"Outpace"は希望に満ちたコードによる楽しげな空気の中でEPを締めくくっている。6曲の折衷的なトラックにおいて、Reilingは物憂げな空気から祝祭の雰囲気までを駆け巡っている。本作が他とは一線を画しているのは、丁寧に紡がれる物語性によるものである。
  • Tracklist
      A1 Is Anybody There? A2 Speechless A3 On A Pale Horse A4 Silverhope Rd. B1 Warm Down B2 Outpace
RA