Japa Habilidoso - Funk Do Sindicalismo

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  • Future Timesがリリースしてきた中でも「Funk Do Sindicalismo」は「最もパンクなシットだ」とレーベル自ら語っている。この表現は決して冗談ではない。むしろ、かなり的を得ている。Future TimesはDolo PersussionやHuerco S.らが作品をリリースすることもあるレーベルだ。本作のプロデューサーはブラジル人のJapa Habilidosoだ。その収録曲は奇妙で歪んだビートによる広義の意味ではハウスにあたるトラックで、Habilidosoのセルフレーベル 40% Foda/ManeirissimoのCD-Rリリースで既に発表されていたものである。このレーベルからは、HabilidosoがDJ Guerrinha名義で展開する胡散臭いブーギーチューンやデジタルジャズもリリースされていた。自分たちと同じ嗜好を持っているとFuture Timesが気付くのも納得だろう。 収録曲2曲の内、"Funk Do Sindicalismo"の方がパンクだ。食器を鳴らしているようなパーカッションは常にタイミングがずれているのかもしれないが、ディストーションがかかっているため、そのことにはなかなか気付かない。キックドラムはマックスレベルを振り切っており、スタジオで紙袋を激しく蹴り飛ばしているようなサウンドだ。2分を過ぎる頃、さらに激しいドラムサウンドと粘着質なシンセが注入され突き進むが、その強烈さは長くは続かない。どうやらHabilidosoはトラックに手を加えずにはいられないらしく、さらなる混沌を生み出すために常に素材を抜き差ししている。"Agronomia Setorial"は、まだ調性が感じられるがAサイドと同様に奇妙だ。ギターのメロディが甲高く異様なループへと加工されており、今にも崩れ去りそうなビート上に奏でられている。サイケディスコアンセムの要素を感じられる瞬間もあるが、トラック全体に熱狂的なアイデアが多量に含まれているため、本当に瞬間的にしか感じられない。かなりの要素がトラックに詰め込まれているため、聞いていて疲弊してくるが、素晴らしく楽しくもある。
  • Tracklist
      A1 Funk Do Sindicalismo B1 Argonomia Setorial
RA