Arkajo - Altavista

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  • スウェーデンのレーベルAniaraが非常に得意としていることが1つある。ドリーミーな際どさを持ったパンチのある落ち着いたハウスだ。レーベルが歩んできたこの5年間の間に、Henrik Bergqvist、Dorisburg、DorisburgとNils KroghによるユニットGenius Of Timeらの作品を中心に、しなやかで中毒性のあるクラブトラックが一定の流れで発表されてきた。ちなみに、Dorisburgの「Trust」は、昨年、良作にも関わらず多くの人に見過ごされたEPであり、2011年のキラーハウストラック"Houston We Have A Problem"と、2013年のFirst Choise"Love Thang"(英語サイト)の傑作リワークを制作したのは、Genius Of Timeだ。今回、Aniaraの最新作を手掛けたのは、Arkajo名義を名乗ったKrogh。彼には珍しくソロでのリリースだ。 「Altavista」では、Aniaraのアーティストよりも少しだけ大きな空間へと進んでいるKroghを聴くことができ、作品からは『Northern Exposure』スタイルの壮大さが感じられる。高密度のキックと、忙しないハイハット、そして中域を埋め尽くしていくスタッカートのリズムから成るトラックは、しなやかでありながら、急激さと建築学的な複雑さを兼ね備えている。"Månfras"(月の推移、の意)と"Altavista"は、共に重厚なトラックであり、"Mörk Miljö"(暗い環境、の意)は、少し抑制したアレンジになっている。3曲全てに共通している点もあり、それは、コズミックな景色が広がる中を激しく躍動するグルーヴだ。Kroghが他のプロデューサーと一線を画しているのは、この大バコ的な熱気だろう。本作はそれでいて混じりっけ無しのAniara作品だ。
  • Tracklist
      A1 Manfas A2 Altavista B1 Mork Miljo
RA