Nozinja & Tessela - Wa Chacha

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  • 陽気で元気いっぱいのシャンガーン・エレクトロは決して上っ面だけのダンスミュージックではない。南アメリカのプロデューサーNozinjaも同じく真剣にこの音楽の制作に取り組んでいる。Tesselaと制作したスプリット12インチについて、彼がThe FADER(英語サイト)に語った際には、「彼(Tessela)はすごくミキシングが上手い。俺は彼にシャンガーンのサウンドとドラムを教えた代わりに、彼は俺に異なるサウンドをどのようにまとめるのかを教えてくれた。彼とはまたやりたいね」と発言を残している。これに対しTesselaは「これだけ熱心な人と一緒に作業ができてヤバかった」と答えている。この2人は奇妙な組み合わせだと思う。Nozinjaによる太陽の日射しを浴びたパーカッシブなシンセは、Tesselaが頻繁に用いている崩壊しそうな詰め込んだサウンドとは正反対に位置している。しかし、こうした違いが混ざり合った時こそ、強い魅力を放つ音楽が生まれるものだ。 Nozinja曰く、Aサイドに収録された彼のバージョン"Wa Chacha"は、「女性の歌、特に、成人期を過ぎた女の子や、学校を終えた女の子の母親が歌う」伝統的な曲だ。シャンガーン・エレクトロのお手本のようなトラックで、テンポは2倍速、メロディは小刻みに震えヘリウムを吸ったような鳴りをしており、ビートはプリセットのドラム、そしてミックスは愛くるしいまでに荒々しい。魅力的ではあるものの、Nkata Maweweのボーカルがなければ、"Wa Chacha"は Nozinjaの他のトラックと特別何かが違っているというわけでもない。彼女の情熱的な声とハーモニー隊によって、基本的な構造のトラックが活気づいており、彼女の存在は不可欠だと言える。 Tesselaのバージョンの"Wa Chacha"はというと、全く異なる仕上がりになっている。イギリス人アーティストである彼はシャンガーン・エレクトロを解体し、岩石のように轟音をたてながら火山の中へと転がっていくような、熱く燻る大きなサウンドの塊へと作り変えている。Tesselaによる威圧的なアレンジを邪魔することなく、Nurse Matalaによるしわがれた力強い歌声が、トラックをまとめ上げている。両バージョン共に、1つの方向性に向かってひたすら4分間を突き進んでおり、Tesselaによる見事なアレンジは、彼のバージョンに十分な深みを与えている。
  • Tracklist
      01. Wa Chacha (Nozinja Version) 02. Wa Chacha (Tessela Version)
RA