Mark Ernestus' Ndagga Rhythm Force - Yermande

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  • Basic Channel、そして、Rhythm & Soundの一員であるMark Ernestusはテクノに革命を起こした存在として未来永劫、語り継がれていくだろう。しかし、彼自身はと言うと、ここのところ、4つ打ちの音楽よりもアフリカやカリブの音楽に興味を示しているようだ。彼が1989年にHard Waxをオープンした時、その目的は、ベルリンで初めてのダブ/レゲエ輸入盤店になることだった。初めて店舗を構えた場所では、「black music」という言葉が窓に貼り出され、現在でもHard Waxの定番として入荷されているのはダブの7インチレコードだ。この数年間、Ernestusはこれまでとは異なるリズムを取り入れてきた。そのリズムはンバラと呼ばれ、主にセネガルやガンビアに端を発するポリリズムのスタイルのことを指す。2011年、彼はダカールを飛び、セネガルのドラム集団であるJeri-Jeriと共にレコーディングを行っている。以降、このプロジェクトのためにレーベルNdaggaを立ち上げたErnestusは、彼らと共に7枚のレコードを発表してきた。 先日、Ndaggaのホームページにて、このプロジェクトの新章が以下の通り明らかにされた。「Jeri-Jeriに続きMark Ernestus' Ndagga Rhythm Forceが発足する。セネガルでの素晴らしいドラマーたちとの出会いを経て、Markのプロジェクトは新たなものへと独自に進化を遂げたのだ」。Mark Ernestus' Ndagga Rhythm Forceとして初となるEP「Yermande」では、アフリカのリズムと西洋のリズムを二分する混沌としていながら流動的な動作が具現化されている。本作は静と動を併せ持ち、重厚なダブのリズム上を熱狂的なハンドパーカッションが飛び交う。Ernestusの制作における卓越性は言うまでもない。そのサウンドは完璧なまでに豊かで明瞭であり、ステレオという空間を最大限に活用し、その隅々にまでドラムの大群が埋め尽している。本作が最高の作品であるのは確かだが、パンチの効いた"Kick And Bass Mix"、シンセを際立たせた"Prophet 5 Mix"、Mbene Diatta Seckによるボーカルバージョン、そして、インストバージョンと、収録されている4バージョンはどれも似通っており、もっと他のトラックを聞きたくなってくる人がいるのではないだろうか。しかし、これまでNdaggaの多作ぶりを考えれば、本作に続く作品がさらに発表されるのは間違いない。
  • Tracklist
      A1 Yermande (Kick and Bass Mix) feat. Mbene Diatta Seck A2 Yermande (Kick and Bass Instrumental) B1 Yermande (Prophet 5 Mix) feat. Mbene Diatta Seck B2 Yermande (Prophet 5 Rhythm)
RA