Fold - Mr W00D EP

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  • スタイルという面では、Rob GlassettがFold名義でManMakeMusicから発表した2枚目のEP「Mr W00D」は、特段、他と異なっているわけではない。収録曲は、ガラージ色の強いハウスのタイトルトラック"Mr W00D"、躍動感のあるダビーテクノ"Keif Chugwin"、そして、フィルターの効いた8分間のテックハウス・トラック"No Foolin"、という内容だ。しかし、Glassettがトラックごとに異なる方向性を見せていても、そこには一貫性が保たれている。つまりそれは、がっしりとしたドラムサウンドであり、上手く活用したサンプリング音であり、絶妙なベースラインであり、そして、時折、聞こえてくるメロディのことだ。この一貫性によって、彼は大胆で万能のアーティストであることが伝わってくる。 本作で一番目立っているのは、"Mr W00D"だ。このトラックは、ManMakeMusicのボスであるGeorge FitzGeraldはもちろん、The Black Dog、xxxyといったアーティストたちにプレイされている。フィルターをかけたディスコネタを軸に溜めこんだエネルギーを一気に放出するダンスミュージックとなっており、トラックの前半は坦々としているものの、後半になると一転、両手を突き上げたくなる展開が待ち受けている。こうしたシンプルな展開によって、"Mr W00D"は他2曲よりもエッジの効いたトラックとなっているが、それは必ずしも他2曲の魅力が少なくなることを意味しているわけではない。"Keif Chugwin"と"No Foolin"は非常に分かりやすいトラックではあるものの、"Mr W00D"には及ばない。しかし、質実剛健なこの2曲は、このタイトルトラックを補完する役割を果たしているのだ。とは言え、Glassettの手にかかれば、控えめに仕上げられたBサイドの2曲でさえ、そのインパクトは抜群だ。
  • Tracklist
      A1 Mr W00D B1 Keif Chugwin B2 No Foolin
RA