Dona - 15th Point / 9th Point

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  • 2014年にセルフレーベルPointsを設立したDona BasileことDona。彼は音楽をジャンルで括るのではなく、いかなるサウンドもダンスミュージックに成り得ることを信条に、1つのスタイルにこだわることのない楽曲を発表してきた。例えばPointsの1枚目のEPには、デトロイトやシカゴからの影響を感じさせるマシンファンクなアシッドトラックを収録していたが、2枚目のEPでは、疾走感のあるピークタイム仕様のトラックへと変化を見せるなど、フロアに対する自身のスタンスを体現している。また、Patrice Scott、Vakula、Juju & Jordash、D'Marc Cantuらによるリミックスを、オリジナルトラックと共に提示することで、Donaのダンスミュージックに対する姿勢を、より多くの視点から解釈できるようになっている。そんな彼の音楽性を考えれば、今回の「15th Point / 9th Point」が、UKガラージ/ブレイクビーツを取り込んだ非4つ打ちトラックとなっているのも驚きではない。 "15th Point"では、軽快なリムショットとボトムの効いたキックを組み合わせたブロークンビーツを下地に、裏打ちのハイハットをオープン/クローズと使い分ける他、アーメンブレイクをアクセントとして挿入することで面白い折衷性を生み出している。このトラックのバージョン違いとも言える"9th Point"では、派手に盛り上げるのではなく、一定のテンションをキープする燻し銀のアレンジが組まれており、一夜の雰囲気が深まった混沌とエレガンスが入り乱れる時間でのプレイを期待したくなる。そして、今回のEPにリミキサーとして参加したのは、デトロイトの重鎮Anthony Shake Shakirと、イタリアの新世代プロデューサーユニットHiverだ。弾力性のあるジャッキンな跳ね感を元曲のクリアなシンセに組み合わせた貫禄のAnthony Shake Shakirと、ほぼ原形を留めることなくタイトなリズムに浮遊感のあるシンセを乗せたHiver。今回のオリジナルトラックを考えると、UKのプロデューサーに頼むのが王道なのかもしれないが、そこは前述したDonaの意識のもとに、ジャンルの垣根を越えたパッケージングが成されている。
  • Tracklist
      A1 15th Point A2 15th Point (Anthony Shake Shakir Remix) B1 9th Point B2 9th Point (Hiver Remix)
RA