Matrixxman - Nubian Metropolis

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  • MatrixxmanことサンフランシスコのCharles Duffにとって、2014年は目まぐるしく実りの多い年になった。Delft、Kraftek、Spectral Soundを含む数々のレーベルから7枚のEPを発表しているが、そんな彼が2014年最後にリリースする本作がアムステルダムのレーベルDekmantelから届けられた。彼がDekmantelからリリースするのは初めてだが、既に彼はこのレーベルに自然にフィットしているような印象だ。というのも「Nubian Metropolis」では、近年のDuff作品で展開しているバレアリック/シカゴハウス路線ではなく、レーベルに合わせたオランダ流マシンエレクトロに挑み、完璧なスタイルでそれを成し遂げているのだ。 本作の2曲目"Cybernetic Impact"というタイトルはおそらく、I-Fによる人気インターネットラジオCybernetic Broadcasting System(2008年に閉局)へのトリビュートだろう。だとすれば、簡素なベースのサウンド、口笛のように高らかなメロディ、そして筆者が持っていた2005年製の古いパソコンでブブッとスピーカーが震えているようなぶつ切りのドラムが用いられているのもしっくりとくる。"System Blackout"も同様の素材から制作されているが、こちらはガタガタと音を立てるドラム音や、Kosmik Kommando風の声の周りをちらつくブリープ音が用いられ、地面を見つめながら黙々と踊るような実験的な手法でトラックが構築されている。一方、"Sermons"と"Siamese Twins"ではスペーシーな方向性になっており、土台を支えるリズムとラフなベースに上昇していくパッドが浮遊感を与えている。
  • Tracklist
      A1 Sermons A2 Cybernetic Implant B1 Siamese Twins B2 System Blackout
RA