Unspecified Enemies - Everything You Did Has Already Been Done

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  • 興味深い物議を醸しだすこともあった2014年。そんな年の最後にNumbersがレーベルベストとなる作品を発表した。それはほとんどのファンも認めることだろう。Unspecified EnemiesはLouis DigitalとCiMによるプロジェクトであり、今回の濃密で緊迫した4曲入りのEPは「Multi Ordinal Tracking Unit」に続く作品だ。2012年にNumbersより再発された「Multi Ordinal Tracking Unit」は元々1999年に2人のレーベルCounterattackから発表されたものだ。今回の4曲も即席で制作された感があり、同様に焼け付くような強度と共にトラックは沸き立っている。 "Ms.45"と"Chip Mode"はカセットテープ「Counterattack Live」に収録されていたトラックで、このテープは1999年にグラスゴーのレコード店RubadubのMartin McKayに送られている。共にパンチがあって耳に付くサウンドで、みんなの意識をしっかりと掴むトラックだ。"Ms.45"では跳ねるドラムが徐々に大きくなっていき、ハッピーハードコアのような奇声を覆い尽くし、"Chip Mode"では悲鳴が飛び交う緊急事態のような雰囲気を展開し、その背景では混沌としたドラムがカタカタと音を立てている。本作のイチオシはおそらく"Liquid Floor"だろう。ガタガタと今にも崩れていきそうな激しいドラムと喉を鳴らしているようなボーカルのループが終盤に向けて心地よいうねりに変わっていき、追加される巨大なパッドは他の素材を飲み込むことなく高く上昇していく。そして最後の締めくくる"Lifestyles Of The MiniDisc Era"では、沸き立つ旋律と不規則で激しいリズムが生み出す比較的アブストラクトなサウンドが用いられている。実に騒がしく見逃せない一枚だ。
  • Tracklist
      A1 Ms 45 A2 Chip Mode B1 Liquid Floor B2 Lifestyles Of The MiniDisc Era
RA