OAKE - Auferstehung

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  • DownwardsとBlackest Ever Blackが形成している実験的な領域がある。ベルリンの2人組であるOAKEの音楽はその領域に位置付けることが出来るだろう。2人の音楽が持つ厳粛な優美さはReimeのそれを引き継いでいると言えるし、ジャングル、ダブステップ、そしてドローンといった要素が衝突し合う場所で生まれる深く沈み込むベースラインを伴う怒涛のサウンドはKerridge(メンバーの1人Eric GoldsteinはKerridgeと共にUFとしてコラボレーションしている)のそれだ。にも関わらず、OAKEには突出した存在感がある。そして『Auferstehung(復活、という意)』は楽譜を通じて様々な方法を試している現代音楽的アンサンブルのように聞こえることが多々あるのだ。 OAKEの活動はインダストリアルの系譜にあると言える。しかし、同時に彼らの音楽はDavid Lynchのために作品を制作したJulee CruiseやCocteau Twinsが持つ極上の美しさを思い起こさせる。この点を特に浮き彫りにしているのは、"Viertes Buch: Mortre Wrid"や"Fuenftes Buch: Dreloi Wechd"におけるKonstanze Bathseba Zipporaのボーカルだろう。この世のものとは思えない声だ。本作では激震を起こすビートとサウンドは霧深いアンビエンスに包まれている場面が多く、半分消えかかったような奇怪なメロディが何度も用いられながら見事な効果を生み出している。 その結果、『Auferstehung』は本物の映画のような緊張感を持った空間的かつ高密度のアルバムに仕上がっている。これは脳裏に風景を思い起こさせるような作品だ。時折、壮大で奇妙なサウンドに聞こえることもあれば、風の吹き付ける崖で行われる異教徒の儀式を彷彿とさせることもある。本作はただノイジーなのではない。そこには同時に豊かさと聞きごたえがあるのだ。
  • Tracklist
      01. Vorwort: Umiha Sien 02. Kapitel Eins: Edunien Edreue 03. Erstes Buch: Desterieh l’Remm 04. Zweites Buch: Var Genstien 05. Drittes Buch: Graevann Grewen 06. Kapitel Zwei: Brachem Dest 07. Viertes Buch: Mortre Wrid 08. Fuenftes Buch: Dreloi Wechd 09. Kapitel Drei: Rechs Zegon 10. Sechstes Buch: Rehmin Sicht 11. Siebtes Buch: Drestan Sened
RA