Arcarsenal - FH:03

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  • ArcarsenalはAlan Mathias とEtienne Dautaというベルリンを拠点とする2人のフランス人によるプロジェクトだ。彼らはノイケルンのレコード店Bass Cadetと繋がりを持っており、同名と同名のレーベルを始めただけでなく、Dautaは店番を担当している。彼らの最新作がローカル・レーベルFinest Hourに到着したが、そのサウンドはレコードにまみれながら多くの時間を費やしてきた2人ならではの作品となっている。しかし、それは一般的な意味で言っているのではない。というのもArcarsenalはクラシック作品の要素をことさらに取り入れたりはせず、数多くの偉大なDJツール作品が持つシンプルさを取り込み、独自の方向性に進んでいるようだからだ。 そしてその結果は途轍もなく絶妙な仕上がりで、ドライな作品だ、と言う人もいるかもしれないが、インスピレーションに満ちているのは確実だ。"Perpetual Workout"は100%パーカッションからスタートし、トラックが1/3に差し掛かる頃、ダビーなメロディが模様を描きながらトラックを支えているバウンシーなドラムに加わっていく。広々としていながら躍動感があり、極限にまで細かい部分に注意が払われている。そのサウンドはFred Pにプレイしてもらうために制作されたのではないかと思うほどだ。"Ancient Language"ではローエンドが強調され、坦々としたシンバル音とアンビエント感のある波打つメロディにほとばしる重低域をけしかけている。逆サイトでは、こうした極上の軽さから一転、Arcarsenalが持つタフな一面が押し出されている。"Quoth"では、つんのめるグルーヴの典型的なエレクトロのリズムにドラム・サウンドが構築され、ベースラインには少しざらつきが与えられており、それほどヘビーなトラックではないながらも、MathiasとDautaがその気になれば少しはハードなことも出来ることをあらわしている。超ワイドなパッドとシンコペートするベースを用いた"Like Leftovers"が本作で最もメロディアスなトラックであるのは明らかだが、しばらくすると、どろりとしたメジャー・コードは鋭い・ドラム・ヒットの大群によって切り刻まれていく。Arcasenalは軽いタッチが好きなのかもしれないが、しっかりとアグレッシブにもなれるようだ。
  • Tracklist
      A1 Perpetual Workout A2 Ancient Language B1 Quoth B2 Like Leftovers
RA