Club No-No & SVN - Untitled

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  • ここまでインターネットが普及してもSVNと彼のレーベルSuedに関わる情報は彼がデビューした2009年から5年経った今も限られたままだ。逆に言えばアーティスト本人がプレス・リリースや自らのプロフィールで自分の素姓を宣伝文句として殊更利用していないということであり、にも関わらずSex Tags周辺の動きと呼応しながら着実にその名が知られてきているということは、それだけ彼らの音そのものに反応してきたリスナーがいるということだ。ソロでの作品よりもAcidoのDynamo DreesenとのDreesvnや、DJ Fett BurgerとのXIなどコラボレーションでのリリースが多いSVNだが、今回彼が組んだのはノルウェーのSnorre Magnar Solbergだ。5月にレーベルClub No-Noを立ち上げサイケとアシッドが強烈に混ざり合ったEPをリリースした彼だが、今回はアーティスト名としてClub No-Noを名乗っている。 ベルリンを拠点に10年以上エレクトロニック・ミュージックに携わってきたSVNは、時折、自身が運営するSuedのレーベル・パーティーを行っており、今年の4月に開催された回(英語サイト)ではオープンの10時から深夜の1時近くまでキックが鳴ることが一切無かったようだ。Suedから9枚目となるEPにも、もはやSVN関連の作品の特徴とも言えるキックに頼らないトラックがバージョン違いで2曲収録されている。特にAサイドはMonolakeの"Cyan I"を彷彿とさせるトラックで、遠方から野鳥の鳴き声が聞こえてくるフィールド・レコーディングの中、軽めのタムにディレイがかけられ展開していく。非常に空間的で奥行きがあり音像の動きがありありと伝わってくる。Bサイドも同様の鳴き声を用いてはいるが、歯切れのいいハットと16分で執拗に刻まれるアルペジオ、そして図太いベースラインによってソリッドなグルーヴを持ったループが組まれ、ゆるやかに膨らんでくるパッド・シンセが意識を惹きつけるアンビエンスを生み出しており、異なる印象が生まれている。
  • Tracklist
      A Untitled B Untitled
RA