Patrik Skoog - SH01

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  • Patrik Skoogの最新作はいくつか理由で非常に重要だ。まず最初に「SH01」は彼の新レーベルSample & Holdの第1弾であるということ。しかしもっと重要なのが、ベルリンを拠点とするプロデューサーである彼はタフなテクノの音楽性で築いたキャリアを放棄し、00年代中期にはAgaric名義でより軽めのサウンドを展開してきたが、今回再び以前の音楽性に復帰していることだ。過去10年間以上に渡って我々は途轍もないものを見過ごしていたのかもしれない。Skoogの復帰はそう思わせる。なぜなら「SH01」にはダンス・フロア仕様のテクノ12インチに必要なものがほぼ全て収められていたからだ。 スウェーデン人である彼は「SH01」にて多様なアプローチを取っている。基本的に彼の音楽で最も素晴らしく記憶に残るのは、トラックが主にフィーチャーしているものが音の壁である時だ。最も好例となっているのが"Judgement"と"Mod WHL"で、もっともこの2つのトラックはかなり異なるのだが、前者は長く巨大なシンセ・コードと大きく躍動するメタリックなパーカッションを通じて鼓動する強度と感情を完璧に組み合わせた、ダンス・フロアを鷲掴みにするチューンとなっており、後者はより不気味でおそらく酩酊させるというより、フロアを鼓舞するトラックだろう。容赦無いドラムと強烈なインパクトを持った中域を用いている。 Skoogが少し勢いを弱めたトラックも同様に素晴らしい。"No End In Sight"は眩暈を起こしそうになるほど空間的だが、引き続き芯にまで届くパンチがある。ダビーな短音とハウシーなバウンス感を伴った"Flashback"は本作で唯一落ち着いたトラックだが、同じく純粋にスタイリッシュだ。もう2、3枚、この手の作品をSkoogが隠し持っていて欲しいところだ。
  • Tracklist
      A1 Judgement A2 No End In Sight B1 Mod WHL B2 Flashback
RA