Baauer - ß

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  • "Harlem Shake"をわざわざ深読みしようとする人がいるなら、のインターネット・ミーム上でヒットしたこのトラックはHarry Rodrigues(Baauer)をほとんど代弁していないことに気付くだろう。ヒップホップのベスト・プロデューサーの多くと同様、Rodriguesの長所は鋭い宇宙感と絶妙な未来志向にある。彼のビートはモダンな輝きを放ち、お約束的なヒップホップのドラム・マシーンよりもサンプルを好む。この好例となっているのが"One Touch"で、フィンガースナップとドラマチックなコードのシーケンスを中心に構築されたトラックとなっている。まるでオノマトペが地雷原のように敷き詰められているかのようだ。このリズムの繊細さが「ß」に絡みついている。本作は2012年以降初となるBaauerのソロ・リリースであり、待望のデビュー・アルバムに向けて期待が高まる先行カットだ。 "One Touch"は2つのバージョンで収録されている。その内の1つにフィーチャーされているラップ・デュオRae Sremmurdは評判を呼ぶに値するもので、アメリカのラジオでもウケ易そうなトラックだ。もう1つはAlunaによる息遣いが聞こえるボーカル上を展開するポップなアレンジとなっている。Alunaの声が作り出す静寂に近い舞台は、重低音の波に飲み込まれていく。"Floreana"は本作のもう1つのハイライトだ。Rodriguesによる跳ねるベースラインによってドラマチックなひねりと展開が繰り出される中で奏でられる木槌のようなメイン・リフは完璧なまでに磨きあげられている。波打つブロークン・ビーツとスタッカートになっているセクションを交互に行き来する"Boog"は民族的かつ熱狂的だ。そして"Swoopin"ではブロトラップのクリシェやグライムのスタブ・サウンド、そして荒々しいボーカルの息遣いを使って遊んでいる。
  • Tracklist
      01. One Touch feat. AlunaGeorge & Rae Sremmurd 02. Floreana 03. Swoopin 04. Boog 05. One Touch VIP feat. AlunaGeorge
RA