- 2013年にデビューアルバム『森は生きている』をリリースし、インディーズながらも一躍注目を集めているバンド・森は生きている。本作は彼等のデビューアルバムに収録された"ロンド"の一年越しのシングルカットとなるが、注目すべきは日本内のみならず海外からも羨望の眼差しを受けるGonnoがリミックスを提供している事だろう。過去にはフルカワミキにも、最近では名古屋のアイドルユニットであるチームしゃちほこにもリミックスを提供するなど、Gonnoの評判はダンス・ミュージックのシーンの枠を越えて広がっているが、本作によって更にその広がりは増す事を予感させる。
A面にはメンバーの岡田拓郎による"ロンド(Alternate Mix)"が収録されており、ソフト・ロックやカントリーの影響が優しく滲むその甘美な曲は、8分にも及ぶ長尺な構成と相まって淡い夢から醒めないでと思わせる。序盤はスティール・ギターの甘いうねりや囁き声のような歌に白昼夢へと誘われるも、中盤以降はエキゾチックなドラムスも躍動を増しつつキーボードのソロプレイも小洒落たメロディーを奏で、バンド全体が一体となって清々しい盛り上がりを演出する。そんな曲のイメージを壊さずにリミックスをした"ロンド Remix By Gonno"はB面に収録されている。リミックスというと原曲の雰囲気を尊重しアレンジするものとリミキサーの個性で上書きするものの2パターンあるが、本作におけるGonnoのリミックスはと言うとその両者の狭間にあるようだ。しなやかなハウスビートの4つ打ちを加えながらも原曲のオーガニックな音をかき消す事なく、その淡い夢は10分以上も続いていく。また控えめながらもコズミックな電子音もそこかしこに散りばめて、雲の切れ目から光が射し込むような美しい風景を喚起させ、この多幸感はまるでオールナイトの朝方のフロアで感じるものと同じだ。熱狂的に踊って盛り上がった後の日常の静けさへと戻っていくその瞬間、正に夢から醒めないでと思う時にこのリミックスは最高に響くだろう。
TracklistA1 ロンド (Alternate Mix）
B1 ロンド (Remix By Gonno)