Marquis Hawkes - Fifty Fathoms Deep

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  • Marquis Hawkesが初期のリリースをしていた2012~2013年頃、彼は物議を醸し出していた。ベルリンを拠点とするイギリス人プロデューサーである彼は、アフリカン・アメリカンの響きを持つ名義を使いゲットー・ハウスに影響を受けたトラックをイギリスやオランダのレーベルに提供していた。これまでHawkesの人格や方法論に対する賛否両論が巻き起こっているが、最近ではTwitter上での多岐にわたる口論によって彼は自身のアカウントを削除することになった。この件に関してどのようなスタンスを取るのかは自由だが、これまで彼が発表してきたEP(Dixon Avenue Basement Jamsから数多く、Crème OrganizationとClone Jack For Dazeから1枚ずつ)には傑作トラックが収録されていたことは紛れもない事実だし、fabric傘下のレーベルHoundstoothから初となる本作にもリコメンドしたいトラックが盛りだくさんだ。 "Can't Find A Reason"から始まる「Fifty Fathoms Deep」。このトラックはシルクのようになめらかな男性ボーカル、はためく女性ボーカル、そして主軸となるタイトで無駄の無いリズムを組み合わせ、高揚する効果を生みだしている。"The Way"ではSonar Kollektivに所属していたStee Downesをゲスト・ボーカルに迎えた単純明快なソウルフルさを持ったトラックとなっており、柔らかくメタリックなドラムと折り重なるパッドの間を動き回る音色がDownesによって温められている。ディスコ/ファンクなボーカルの断片と柔らかな光を放つローズのメロディによる"Fifty Fathoms"は比較的リラックスしたジャジーなBサイドのスタートを演出している。本作でスバ抜けているのは"Fat Man"だろう。体が弾むビートと粘り気のあるアナログ・ベースラインにNeneh Cherry風の圧倒的なボーカルが付け加えられる他、スペーシーなシンセによって仕上げられている。このトラックはこれからの数カ月、ヘビー・プレイされそうだ。
  • Tracklist
      A1 Can't Find A Reason A2 The Way feat. Stee Downes B1 Fifty Fathoms B2 Fat Man
RA