Idjut Boys - World 1st Day

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  • 大雑把にいってしまえばディスコのベースライン、ダブの残響を取り入れたダンスミュージック=ディスコダブになるのだろうが、アンダーグラウンドな地点から始まったその音楽が現在の地点まで押し上げられたのはIdjut Boysの功績が大きいのは間違いない。一方日本においても早くからディスコダブに取り組んでいたアーティストにAltzがおり、Idjut BoysもAltzのトラックをリミックスするなど予てから音楽性に共鳴するものがあったのだろう。その経緯を踏まえればIdjut Boysの新作が、Altzが主宰するALTZMUSICAからのリリースとなるのも自然の流れだったのかもしれない。 7インチでのリリースとなる本盤ではIdjut Boysによる新作は"World 1st Day"のみとなるが、しかしここには紛れもなく彼らの魅力がふんだんに閉じ込められている。曲の出だしから空間の広がりを感じさせる残響が効いたベースラインとハイハットが主張し、こちらに迫り出してくるような立体感が生々しいライブ感を生み出している。そしてIdjut Boysの準メンバーと呼ばれるAndy Hopkinsはリヴァーブとエコーを駆使したギターカッティングを被せ、頭がくらくらするようなサイケデリックな精神作用を誘発し、その残響が広がる空気に意識も溶けてしまいそうになる快楽が待ち受ける。正にIdjut Boysらしさが表現されたトリップ感の強いディスコダブな曲だろう。そして裏面にはAltzがアレンジした"World 1st Day (version ALTZ)"も収録されているが、ロックっぽいぐしゃっとしたリズムを取り入れつつより視界が歪むような過剰なダブ処理を施し、ドラッギーな成分が増し原始的な躍動が満ちたダンスミュージックへと生まれ変わっている。両曲とも実にシンプルな曲ではあるが王道のディスコダブでもあり、時代に左右されない普遍的な魅力が溢れている。
  • Tracklist
      A1 World 1st Day B1 World 1st Day (Version Altz)
RA