Ko-Ta - Festimask

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  • Tikitaはベルリンを拠点とするアナログ・オンリーの新レーベルだ。北アフリカのアーティスト2人によって運営されており、その焦点は「陶酔性のあるボディ&マインド・ミュージック」にあてられている。その第1弾である本作が素晴らしい。90年代後期から00年代初頭までStratosphere Recordsを運営していた日本人プロデューサーKo-taを探し当て、2001年のレコード「Festimask」を新たにリマスター・バージョンで発表したのだ。 実際のところ、Tikitaからの「Festimask」に収められているトラックは数枚の音源から選ばれたものだ。"Comptine"と"Scene 2"は、4曲入りのオリジナルEP「Festimask」にもともと入っていたものであり、"Tom Tom (Edit)"はKo-taの2000年作「Private Tools」で発表されていたものだ。そして"Unreleased 3"は同時期に制作されていた未発表音源となっている。最初の3曲はリマスターされ、以前よりもローエンドの部分が若干ラウドになり密度が増している。ループを重視したトラックは、単独でも素晴らしいのは明らかだが、DJツールとしても逸品で、1曲目の"Comptine"は最初にして最高だ。シンコペートするパーカッションが完璧に結びついたトラックで、それ以外の要素は一切ない。このトラックが突出して聞こえる人もいるだろう。というのも、Cio D'OrとDonato Dozzyによる2011年(英語サイト)の見事なミックス"J"の一部でリズムの土台を作り上げていたトラックなのだ。特にDozzyが最近描き出しているブードゥー・サウンドに幾分の影響を与えているのがKo-taだということは、想像に難くない。 他3曲も同様にリズムにフォーカスしているが、ストレートな4つ打ちがその屋台骨を支えている。"Scene 2"の音数少なめで反響し合うリズムと、祈祷を捧げているかのようなボーカルは、深い森の奥、轟々と火が焚かれる儀式での演舞に相応しい。一方、"Tom Tom (Edit)"での巧妙に変化していくパーカッションは、メロウなグルーヴを醸し出している。"Unreleased 3"は、ミックスの中に埋められたまじないのような静かな声と、けば立つ高域部分と共に、トラックの終わりに向けてじわじわと高揚していくトラックだ。
  • Tracklist
      A1 Comptine A2 Scene 2 B1 Tom Tom (Edit) B2 Unreleased 3
RA