René Audiard - Cywilizacja Pt. 2

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  • Blank Slateからの最新作の1つである"Cywilizacja Pt. 2"はダウンビートからスタートする。これは"Cywilizacja Pt. 1"の幕を閉じたダウンビートとほぼ同じものだ。Blank SlateでのRené Audiardのデビュー作に引き続き(実はAudiardはBlank Slateの主宰者であり、B. TracksのメンバーであるSoren Jahanと同一人物だ)うねりをあげるこの14分14秒のトラックは、潜り込んでいくループと女性の嘆き声のサンプルから再構築したものだが、どのように反応したらいいのか当惑してしまう場面がある、悲しみと喜び、どちらを表しているのか分からないボイス・サンプルと、そのサンプル素材から生まれるテンションは、Audiardによる数多くの仕掛けの一部であり、印象的なまでに細かく作り込まれたトラックには、トリッピーな世界にリスナーを引きずり込もうとする様々な仕掛けが散りばめられているのだが、もっといい方法があったのではないだろうか。 クルド人の詠唱からサンプリングしたという"Lamia"は、鼓動するストリートの風景を思い起こさせる。トラック中をムアッジン(モスクで礼拝の時間を告げる人)の声がどろどろと漂い、よりアグレッシブになった楽器使いからの印象では、Villalobosにインスパイアされた"Cywilizacja"のそれと比べると、その影響が少なくなっていると感じる。これまでにもAudiardがやってきたように、このサンプル使いがトラックの酩酊感にもっと変化をもたらしてほしいところだ。
  • Tracklist
      A1 Cywilizacja (Part 2) B1 Lamia
RA