- 選び抜かれたリミックス・ワークや、本作のような、定評のあるレーベルからの強力なオリジナル・ハウス作品を通じて、Youandewanは、素晴らしいディスコグラフィーを作り上げている。YouandewanことEwan Smithは、Simpleから発表したEP（英語サイト）から1年後、その姉妹レーベルにあたるAusに移籍し、一連のトラックにおいて、クラシックなハウスとテクノのアイデアを巧みに操る様を見せつけてきた。
Smithの作品の中でも最もダークにトリップしているのが"Tino"だ。押しつぶされたスネアと重々しいアシッドなテクスチャーの中へと急降下していく。そして、そのムードをそのまま引き継いだ"Alright Son"は、昨年の"You Tired"のようなトラックで、Larry Heardへの愛を感じさせる。サウンドが重なり合っている場所を開いて、やんわりと焦点をぼかしたパーカッションが流れ込んでくるこのトラックのタイトルに、"Son（息子）"という言葉を使っているのは、おそらくユーモアなのだろう。このパーカッションによって、エモーショナルなコードと優美なシンセのメロディを共に用いるにはパーフェクトな土台を作り上げている。
"FM Jam"は、さらに悲しげなムードに満ちている。トラック・タイトルのもとになっているFMシンセが頻繁に吹き付けられ、ディスコなベースラインが鳴らされる中を、悠々と動き回るソウルフルな仕上がりだ。このトラックはAndrésによって美味しくリミックスされており、彼の手にかかれば驚くことではないが、最後の一滴までソウルが搾り出されている。複雑なベース・パターンとローズのサウンドを点在させることで、他とは異なる精巧な色合いを鮮やかな本作に加えている。
TracklistA1 Tino
A2 Alright Son
B1 FM Jam
B2 FM Jam (Andrés Remix)