- 12枚以上もの作品をリリースした昨年に続き、ベテラン・プロデューサーRick Wadeは2014年、上半期も同じペースを保っている。『Sweet Life』は今年5枚目となるリリースだ。リーズを拠点とするレーベルFINA Recordsから発表されている本作の内容をチェックしてみてほしい。ソウルがにじみ出ているディスコ・タッチでディープなアナログ・ハウスとなっている。
"Sweet Life"は気楽で気持ちのいいトラックで多幸感溢れるストリングスによって延々と、しかし柔らかく盛り上がりを作っている。"Jazz Militia"ではテンポが速まり、ストリングスはダークな雰囲気に変わっている。ここでは、Wadeお馴染みの深夜に相応しいファンク・ミュージックを披露しているが、若干決まりきった音楽のようにも感じなくもない。オリジナル作品のうちでは、"The Chateau"が個人的にはベストだ。みずみずしいボーカル・サンプルに加え、素晴らしく情景豊かなキーボードとギターがリードする演奏によるテンションを抑えたトラックだ。このオリジナル3曲には彼の手によるものだと分かるしっかりとしたグルーヴが備わっている。
本作には他に"Sweet Life"のリミックス2曲が収録されているが、どちらのリミックスも過激なことをやろうとしなかったのは賢明だったと言えるだろう。Mr Beatnickのバージョンは、ゆったりとしており、小刻みに震えるダブ・コードと波打つシンセを挿入し、違った方向性でディープな感覚を生み出そうとしている。FINA RecordsのボスSimon MorellとTom Taylorによるリミックスはデジタル盤にのみ収録されている。ここではオリジナルのリラックスした魅力の代わりに、BPMを早め、面白いボーカル・ループと適度な長さのスポークン・ワードを使って、よりヘビーなアプローチを取っている。オリジナルのストリングスと組み合わされることで、通常のテックハウスのふわっとしたものよりもスタイリッシュに保たれている。
Tracklist01. Sweet Life
02. Sweet Life (Mr Beatnick Remix)
03. The Chateau
04. Jazz Militia
05. Sweet Life (Tom Taylor & Simon Morell Remix)