Overlook - False

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  • ボーンマスのプロデューサーOverlookことJason Luxtonはドラム&ベースのニューカマーだ。彼は昨年、目覚しい成長を遂げているレーベルNarratives Musicのベスト・トラックの1つでもある"Three Shards"を発表しており、レーベルの音楽観と彼の壮大で浮遊感のあるテイストはとてもマッチしたものだった。今回のソロ作には自身の内と外に意識を向けた世界観を披露している2つの素晴らしいトラックが収録されている。 着実に鼓動を刻む"Everything Counts"はもはや禅であると言っていいだろう。しかし、その雰囲気に騙されてはいけない。地盤震わすベースの塊が低域の周波数域を覆い尽くし、Luxtonはその上に広がる広大な空間にシンセ音と緊張感溢れるタムを加えている。そして訪れることのないクライマックスを待っているかのようにグルーヴが前後に揺れている。対照的に"False"はミサイルにようなトラックだ。吹き荒れるドラムファンクのトラックがBurialの"Sounth London Boroughs"の世界観に組み合わされたものを想像してみて欲しい。この類のチョッペイジ作品では普通、ジャジーな要素が用いられるのだが、今回のパーカッションはそこからかけ離れたものだ。もちろん、良い意味でだ。圧倒的なシンセがトラックを照らし出していく中、勢いを増していくドラム・パートはポストロックのレコードからサンプリングしたものかもしれない。Nattatives Musicの12インチはビッグ・チューンではないことの方が稀だ。今回の7枚目も同様にマッシブなリリースとなっている。
  • Tracklist
      A False B Everything Counts
RA