Rocketnumbernine / Four Tet - Roseland / Metropolis

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  • キーボードのBen、ドラムのTomのPage兄弟からなるロンドンのデュオ、RocketnumbernineがはじめてKieran Hebdenとコラボレーションしたのは2010年のことで、彼らの意欲作"Matthew and Toby"をHebdenがリミックスしたことがそもそもの始まりだった。それまでも数度コラボレートしていたSteve Reidを通じてRocketnumbernineの2人と知り合ったHebdenは、Tom Pageのパーカッションから導きだされるジャジーな密度にそのレコーディングの2週間前に急逝したSteve Reidの面影を見ていたのかもしれない。 Floating Pointsのプロデュースにより、コンピューターを一切使わない一発録りで仕上げられたこれらのトラックは、共に濃密なライブを共有した彼ら3人のミュージシャンの間にある密接な理解度の深さがにじみ出ている(これら3つの曲のタイトルは彼らがRadioheadのサポートとして参加したヴェニューの名前からそれぞれちなんでいる)。それぞれのトラックはジャズやロック、エレクトロニクスのあいだにある未知の中継点を拾い上げており、なかでも"Roseland"はそれが強烈に感じられる。Ben Pageのオルガンはトラックの表層の下で蛇行し、その沼地を行くようなグルーヴの上にHebdenが透明な炎が燃えるトーチライトをそっと差し出す。"Metropolis"ではテンポが速められ、しつこいワンノート・リフがトラックの展開ごとにテクスチャーが変化していくのにしたがってキーボードが花弁のように散らばっている。この両者のコラボレートはもっと聴いてみたい。
  • Tracklist
      A Roseland B Metropolis
RA