Shlohmo - Laid Out

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  • Shlohmoの音楽は、『Bad Vibes』での牧歌的なビート・スケープから出発して、ヒップホップ、シューゲイズ、ダウンテンポを絶妙にミクスチャーしたものへとここ2年で変化してきた。この「Laid Out」はShlohmoことHenry Lauferがここ最近のライブセットで実験してきた内容がフルに再現されており、切り刻まれ捻曲がった90年代ポップとスローダウンしたハウスの興奮を誘うミックスが果たされている。これまでどこか手作り然としていた彼のサウンドも、このEPに収められた3曲では優れたマスタリングも相まって磨き抜かれて輝いている。 Shlohmoのふさぎこんだかのように爪弾かれるサウンドとHow To Dress Well独特のファルセットが組み合わさった"Don't Say No"はHow To Dress Wellらしいもっとも痛切な感覚をハイハットやシンセの煙幕、ほとばしるギターが包み込んでいる。他のトラックでは亡霊のようなヴォイスが甘美な虚無感を演出している。ヴォイスが曲ごとに違うアプローチになっているいっぽう、Shlohmoはよりリズムにおける冒険を押し進めている。繊細な"Out of Hand"ではドラムの豊かな音像が立ち上がり、"Put It"では叫ぶようなシンセ・ラインに機関銃のようなハイハットが噴射されている。 長いヴォーカル・サンプルが曖昧化され、隙間の多いドラムのテンプレートの上で引きずられる"Later"での彼のサウンドは、型通りのフォーミュラにはまりかねない一歩手前になっている。最後の"Without"では再び彼らしさを取り戻しており、彼の代表曲でもある"Seriously"でのブルージーなギターを模倣し、そこへもうひとつの彼のトレードマークになりつつある崇高な若者独特の苦悩をかぶせている。
  • Tracklist
      01. Don't Say No feat. How To Dress Well 02. Out of Hand 03. Later 04. Put It 05. Without
RA