Appian & Segv - Slyfox 001

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  • 新レーベルSlyfoxの1枚目のリリースにはEPタイトル無しの4曲入りで、Appian(ここ最近ではPhuture Shock Musicからハウス的なサウンド・ジャムをリリースしていた)と「1989年以来、色っぽい秘め事に夢中」とだけバイオに記されている以外は何のインフォも見当たらないSegvなるトラックメイカーによる作品が収められている。 Segvのふざけたプロフィールはさておき、このEPは驚くほど内容の濃い作品だ。EPはまずAppianのかなり抑制されたオーガニックなテクノ・トラックである"Stuck in a Rut"で始まる。ダスティなクリックやノイズに包まれたこのトラックは、ある種病的なまでに崩れたビートと共に突き進む。"Smoker"はストレートなキックとクラップのコンビネーションで始まるが、すぐにグライミーなダブ感覚を持ったスウィープがあらゆるリズムの規則性を無慈悲に切り崩していく。完全な無秩序となる寸前ぎりぎりのところで踏みとどまりつつ、クラシックなテクノ的リズムをかろうじてキープしている。 Segvのトラックはさらなる異彩を放っている。"27.05.12.0700"は微妙にモジュレートするベルの音色と規則的なビートで始まる(James Ruskin "Work"を穏やかに仕立て直したかのようでもある)。トラックはそこから一定の不穏さを保ちながらヘヴィーなダブ・テクノ・パターンに変化していく。SegvによるEP最後のトラック"Perimeter"はテクノ的な技巧とレゲトンを速くしたようなビートを奇妙に並べている。
RA