• Published
    Aug 18, 2014
  • Filesize
    157 MB
  • Length
    01:08:30
  • ニューカマーが放つ謎に包まれたサウンド
  • Share
  • Moiréは、脳が起こす錯覚にインスピレーションを得るアーティストだ。彼の名前(モアレ)は、規則正しい2つのパターンを重ねた時に、若干のズレから視覚的に発生する縞模様のことである(彼のデビューアルバム、『Shelter』のジャケット参照)。そして、作品作りにおけるドラッグの影響を彼は隠そうとはしておらず、彼の初作には"Drugs"という曲があった他、最近のThe Quietusでのインタビューでは、薬物でトリップしているかのような気分にさせてくれる音楽を好むと語っていた。霞んだ空間にぼそぼそとした声が響き、断片的なメロディーが現れては消え、キックドラムが朝帰りするレイヴァーのようにのっそりと進む、彼の音楽もやはり、薄暗くてサイケデリックだ。 今週、ActressのレーベルWerkdiscsからMoiréのデビューアルバム、『Shelter』が発売される。RA. 428も同アルバムのムードを踏襲しており、本人のオフビートな楽曲群と、近い志向の他アーティストの作品が組み合わさったミックスになっている。 近況報告をお願いします David Lynchが超越瞑想について語っている動画や、「ホドロフスキーのDUNE」を延々ループ再生しつつ、新しく買った機材をマスターしたり、アルバム関連のいろいろな作業をこなしたり、ライブの準備をしたり、リミックスをしたり、ちょっと新曲も作っていた。 ミックスの制作環境を教えてください ワンテイクでミックスを作るのが好きだからタンテとミキサー、あとシンセとエフェクターを使ったんだ。完璧じゃないし、緩いものができるが、それが好きなんだ。まずは曲を選んで、あとはワインショップで良さげなワインを買って、それから開始した。 ミックスのコンセプトについて教えてください。 俺の新曲とか、他のアーティストの曲で好きなのとか、後は未発表曲を入れてみたんだ。DJギグのプレイを生で録音したかのような、実際にプレイで使いそうな曲を選んだ。 多くの人にとって、あなたを最初に知ったのは去年の「Never Sleep」EPが出たときでした。それまで、あなたは何をしていたのですか? それまでは、空いてる時間に音楽の勉強をしていた。ずっと前から音楽は作りたいと思っていたんだけど、時間のかかることだし、他にやりたいことがあると、中々終わらせられない。だからドラッグ浸けで徹夜もたくさんした。デザインやアート関係のプロジェクトで色々と忙しかったんだ。それが俺のバックグラウンドなんだ。 Werkdiscsからレコードを出すに至った経緯は何だったのですか? Actressと知り合いだった友人がいて、彼が俺のやっていることを気に入ってくれたから、試しにWerkdiscsに送ってみたら、リリースしてもらえた、っていう感じだ。 あなたはファーストアルバム『Shelter』をもうすぐリリースするところですが、いつ頃制作が始まり、どういった制作プロセスになりましたか? いつ始めたかははっきりと解らないんだ。おそらく意識するもっと前から頭の中にはあったと思う。『Shelter』は、俺が作ろうとしているのは何だろう?という問いかけに対する答えを模索した結果なんだ。実際に音楽制作に着手したのはずっと後だ。バラバラの曲の集まりではなくて、全てが一貫している、纏まりのあるものにしたかった。それまでもすでに断片的なアイディアとかはあったけど、『Shelter』のあるべき姿が自分の中で定まったとき、これ用に曲作りを始めたんだ。 今後の予定は? 『Shelter』をライブで披露するための準備とか、ハードウェアでどんなことができるかとか、ギグで使用したいツールを考えているんだ。ライブのビジュアル面で友人のDisguiseとコラボレーションもしているんだ。あと、いくつかリミックス、DJミックスも制作している。そして、新曲の構想も練っているところさ。
RA