- マルチ・ジャンル・アーティストが誘う、Vapor Cityの音
- 2011年、MachinedrumことTravis Stewartはフットワークを取り入れた新しいサウンドで再浮上し、ベースミュージック界を震撼させた。その頃すでにフットワークというスタイルは世を席巻していたが、彼はBoards Of Canadaのような穏やかな質感、スリリングなジャングル、そして自身の洗練された美学を見事に組み合わせ、他とは一線を画したサウンドを見せた。彼の再誕を象徴する2011年の『Room(s)』というアルバムはあまりに良すぎて、我々のレビューでは最高点である5点を獲得したほどだ。そして今年、彼にとって初のNinja Tuneリリース作となったアルバム、『Vapor City』をリリース。今作は空想の都市を舞台としたコンセプトアルバムであり、素晴らしい出来であった。
今回のRAポッドキャストを聴けば、Machinedrumの影響がどれほどのものなのかが解る。彼の後を追い、ジャングル、フットワーク、ドラム&ベースを混交したスリリングでテンポの早いビートを作り出しているプロデューサーが増えており、今回のトラックリストにはそういったアーティストの名がズラリと並んでいる(彼自身の未発表音源も挿入しつつ)。Fracture、Om Unit、Tessela、Ital Tekといったヘヴィ級の人材がこぞってこういう早いテンポを取り入れており、現在着実な盛り上がりを見せている。
まずは近況報告をお願いします
ツアーをしまくってるよ!常に移動してる!そして、ニューヨークにまた引っ越すんだ。今日は医者に行って耳垢を除去してもらうんだ。木曜日にはエディンバラでハギス(註:スコットランドの伝統料理)を食べに行く予定だ。
ミックスの制作環境について教えてください
廃墟と化したクラブの跡地で見つけた、強力な水晶の機材を使って、Vapor Cityの俺のスタジオで制作したんだ。
今回のミックスのコンセプトは?
このミックスはVapor CityのNjord Districtという地区を表現しているんだ。金融と商業の街で、金持ちはどんどんと金持ちになっていて、貧乏はどんどん貧乏になっているような場所さ。
前回のように、今作も“なるべく素早く”制作を進めたのですか?一番早く終わった曲はどのくらいで仕上げましたか?
ああ、しかし最終的なミキシングで凄く時間をかけたんだ。前作の『Room(s)』とはそこが違う。『Vapor City』の曲はどれもだいたい3〜5時間ほどでアレンジメントは終わった。しかしその後ミキシングに3、4日間ぐらいかかったね。
最近、 “高速テンポ”を今まで以上に幅広く、そして深く探究している人達が増えていると感じますか?
ああ、しかし同時に、そのテンポの半分のスロースピードの部分も重視されていると思う。160〜170 BPMの曲だとしても、 80〜85 BPMのセットに違和感なく入れられるんだ。
今後の予定は?
さっき行った通り、ニューヨークに戻る。ここ数年忙しかったから、今後はしばらく家族や彼女とゆっくり時間を過ごすつもりだ。2014年はツアーを控えめにして、俺の本来の居場所であるスタジオに居る時間を増やすつもりさ。
TracklistMachinedrum - Rise N Fall
Machinedrum - The Palace
Machinedrum - Show Ur Love
Future Sound of London - Ill Flower (Machinedrum Remix)
Machinedrum - Knowfuture
Skeptical - Eyes Down
Om Unit - Deep Sea Pyramid
System - Sound Man
Tek 9 - Spring
Rob & Goldie - Shadow
Dwarde - Algid
Tessela - Hackney Parrot (Sam Binga Crackney Parrot Refix)
Ital Tek - BB
Jon Convex - With You (Kid Drama's Autonomic Mix)
Instra:mental & dBridge - White Snares
Naibu - Just Like You (Fracture's Astrophonica Remix)
AMIT - Human Warfare (Machinedrum Remix)
FIS - Love Drama Stress (Machinedrum Edit)
Machinedrum - Overtime