RA.282 Giorgio Gigli and Obtane

  • Published
    Oct 24, 2011
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    94 MB
  • Length
    01:21:37
  • イタリア人デュオが放つドローン・テクノ
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  • イタリア人はダークを好む。昨年RAの特集で地中海沿岸諸国発のテクノを取り上げたが、Giorgio Gigliと Obtaneが主宰するレーベルZooloftがそういったイメージを作り出したと言ってもいい。彼等はレーベル運営の傍ら、GigliはMental GrooveやDumb Uni、Prologueから、そしてObtaneはSonic GrooveやSynewave、Stroboscopic Artefactsから各々リリースしているが、Zooloftは彼らにとって一番大切な子供のような存在だ。Zooloftはモダンクラシックとダークアンビエント、4つ打ちドローンを混ぜ合わせたようなサウンド。それぞれのEPタイトルにはこだわりがあり、最新作には『Analysis of a Nihilist Who Wants to Be Famous(有名になりたいニヒリストによる分析)』とある。 彼らは何故これほどまでにシリアスなのだろう?『このミックスは僕たちの恐れ、夢、希望、そして僕たち生命のアウトプットなんだ。』自称“Zooloftの研究者”によるこのミックスの音世界に浸り彼らの発言を思い返せば、その理由がわかるだろう。 ここ最近の活動はどのような感じですか? 僕たちの奏でるストーリーをリワークできるリミキサーを迎え、ドローン・テクノのコンセプトを更に進化させようとしている。リミキサーには、新しいアイディアに富んだ興味深いアーティストばかりを選んだんだ。タイトでインダストリアルなリズムが特徴のSmearや、退廃的かつ絶望的な雰囲気をもつMilton Bradley、更にはアナログシーケンサーを得意とするMike Parkerに、ダブテクノのTin Manまでを選出した。リミキサーを選抜するに当たって、彼らが各リリースごとのテーマにきちんと沿ったアイディアを持っているのかを充分に確認した。僕たちのリリースは、どういった人間が何をしていて、どういった方向に進んでいきたかったのか、そういったものが全て詰まっているんだ。映画『マトリックス』と同じで、時間の中で彷徨い、ある時は誰かが、今が一体何時なのか教えてくれるみたいなね... このミックスの制作環境について教えてください。 ローマのスタジオで録音した。レコードと、プロモーショントラックも入れたのもあってノートパソコンも使用したハイブリットな方法で作った。 このミックスについて、なにか特別なアイデアなどがあれば教えてください。 自分たちのレコードコレクションを洗いざらい聴き返して、そこから僕たちのレーベルZooloftのコンセプトにしっかりとマッチするようなトラックリストを仕上げた。Podcast制作やDJの際、自分たちの曲を組み込んだりもするけれど、殆どが他のアーティストたちのトラックだ。ヴァイナルのカバーを見て中身を聴くと、レコードの裏に隠されたストーリーを読んでいる気になるんだ。ヴァイナルは僕たちに何か新しいものや感情をもらたしてくれるんだ。自分たちの作品ばかりだと単調になってしまうしね。 去年6月のRAの特集"Italians Do It Darker piece"以後、イタリアのテクノシーンに何か進展はありましたか? エレクトロニック・ミュージックに関心のあるオーディエンスがいるローマやトリノみたいな都市を省けば、イタリアはまだまだエレクトロニック・ミュージックに疎い国だと思う。皮肉なことに、実験的でアイディア満載なクラブよりも才能あるプロデューサーの数の方が多いんだ。ヨーロッパ各国でスタンダードとされるような本来のクラブは、イタリアでは中々見つけにくいんだ。例外もあるけどね。クラブの規制で閉店時間が早いクラブもあるのに、お客さんは遅い時間からしか来ない。これはイタリアのクラブシーンでとてもネガティブな部分だと思う。もしかしたらこれから変わっていくかもしれないけどね。一方でイタリアの現代美術館や劇場は国際的にも注目を浴び始めているから、芸術とリンクしたロケーションが、これから100%自分を表現できる有効な場所になるかもしれないしね。クラブを含めこういったロケーション全てが好きなんだ。楽しいクラビングが出来て、モダンクラシック、アンビエント、そしてドローン・テクノまで、Zooloftに関連したサウンドを表現できる機会を与えてくれるからね。 今後の予定は? Zootloftからのリリースにフォーカスを当てている。僕たちのレーベルは“ホームメイド”がコンセプトにあるから、リリースに至るまでのプロセスをはじめグラフィック、ヴァイナル製造、スリーブからアートワークまで全てにこだわりを持っている。今すぐアルバムを作ろうとも思ったけれど、自分たちの欲求を解消するだけで終わってしまうと思ってやめた。なにか特別でユニークなものを作るには、ちょっと間をおいて、音楽を一切聴かないようにしているよ。“ゼロ・ポイント”に自らを置くっていうのかな。それに平行して新しいプロジェクトにも取りかかっている。ダークアンビエントやビンテージ/レトロ・エクスペリメンタルなエレクトロニック・ミュージックにフォーカスを置いたプロジェクトだ。ダンスフロア直下型というよりも、ビートがない、ヴァイナル・コレクターのための音楽だね。サウンドトラックの制作は僕たちの長年やりたかったことなんだ。
  • Tracklist
      Alberich - Gold - Hospital Prod. Lussuria - Fox With The Eyes And Ears Burned Out - Hospital Prod. Giorgio Gigli & Obtane - Individual Submission To The System - Zooloft Jefre Cantu-Ledesma - Shining Skull Breath - Root Strata Tommy Four Seven - G (Regis Remix) - CLR Obtane & Dino Sabatini - Untitled - Test Blood And Tears - Screwdriver Part 2 - Nachtstrom Schall. Solaris Series - 2/3 - Hidden Hawaii Obtane - Tremors From An Unimaginable Future - Aimersse 001 Rrose X Bob Ostertag - Pointilism Variation One - Sandwell District Handahofi Tioni - Handahofi Tioni 001 Untitled - Untitled - Untitled Terence Fixmer - Concept C - Electrix Deluxe Phil Kieran & Jochem Paap - Workshops Vol. 01 Paint & Chemicals Dept. - Dub Electric Deluxe Svreca - Seda Muerta (Female Remix) - Semantica Dino Sabatini - Modulation A Outis Music Robert Gorl - 'Sexdrops' Album - Scoops - Disko B Endless - 00165 - Area EP Conrad Schnitzler - Track From Live '72 - Further Records
RA