Roland社がAIRAの詳細を解禁

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    Fri, Feb 21, 2014, 13:50
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  • 日本の大手ハードウェア・メーカーが、以前から噂されていた新製品のTB-3、TR-8、そしてシンセとヴォコーダーを発表
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  • Rolandから正式な発表がある前から、ネットには動画、画像などが出回り、AIRAがどういったものになるのか、様々な憶測が飛び交っていた。当初予想された通り、AIRAとはRolandの80年代の名器3種のサウンドと機能をベースにした、新しいハードウェアシリーズだ。基になったベースシンセTB-303、そしてドラムマシンのTR-808とTR-909の3台は、ハウスとテクノの創世に関わった重要なマシンとして語り継がれており、中古市場では価格が暴騰している伝説の機材だ。 TB-3 Touch Basslineは303のアップデート版となり、オリジナルのノコギリ波と矩形波のオシレーターや、-18dB/octaveの梯子型ローパス・フィルターの特徴的なカットオフとレゾナンスの動作を再現。オリジナルのステップ入力キーボードの代わりに感圧センサー内蔵のタッチ・パッドを導入しており、Rolandによると303が苦手だったリアルタイムでのパフォーマンス性が向上しているとのこと。また、ステップシーケンサーには「パターンの自動生成やランダム・パターン調整」の機能が備えられており、TB-303の偶発的なサウンド生成を再現している。そしてUSB端子が用意してあり、バスパワーの供給のほか、オーディオやMIDIデータをパソコンへ送ることも可能になっている。 一方、TR-8 Rhythm Performerは808と909の要素を組み合わせており、「808のロボット・ライクなリムショットや、909の定番スネアロール」など、808のパンチの効いた音、909のズッシリと響く音を期待して良いとのことだ。各インストにTuneやDecayといったパラメータがつき、バスドラムとスネアドラムには独立したコンプレッサーを装備。さらに外部入力へのサイドチェインや、USBを通したパラアウトなど、現代のニーズに答えた機能も充実している。TB-3同様、TR-8も808の音色の特徴を忠実に再現しており、アクセントが入力されたステップに多数のインストをアサインすると起きてしまう音色変化まで引き起こすことに成功している。 どちらもアナログではないが、もとのアナログ・マシンをパーツごとに分析し、電子部品の特性をデジタルで再現する新しい技術、ABC(Analog Circuit Behavior)により、アナログの音を忠実に再現しているのだと言う(このティーザー動画で、Rolandのアプローチが説明されている)。そしてどちらにもScatterという、パターンに変化を加えることができる新機能が搭載されている。 TB-3とTR-8が主役になることは間違い無いが、AIRAシリーズには後2つマシンが発表されている。SYSTEM-1 Plug-Out SynthesizerはRolandのSystem 100、100M、700などをベースにしており、こちらもACB技術搭載だ。このキーボードで様々なRolandのビンテージ・シンセのソフトウェア版をホストすることができ、今後リリース予定のSH-101のプラグインバージョンなどにも対応する。そしてVT-3 Voice Transformerはヴォーカルを加工することができ、ハード・チューニング、クラシック・ヴォコーダー、ロボット・ヴォイスといったエフェクトを加える事が可能だ。4台ともシームレスに連携プレイ可能であり、他のMIDI対応機器とも併用することができる。 AIRAシリーズは、Rolandより3月発売予定(SYSTEM-1のみ6月発売予定)。予想価格はTB-3が32,000円前後、TR-8が52,000円前後、VT-3が22,000円前後、そしてSYSTEM-1が60,000円前後。
RA