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My Favourite DJ, Volume V
My Favourite DJ, Volume V

DJが選ぶフェイバリットDJ、今回はUK篇

このResident Advisorの特集シリーズ、「My Favourite DJ」のコンセプトはごくシンプルです。つまり、DJたちに対しそれぞれフェイバリットのDJを訊き出すのです。ここでは、注目のニューカマーも伝説のビッグネームもローカル・ヒーローもすべて平等です。幅広い答えが得られるよう、回答者のDJたちには制限なく自由に選んでもらいました。今回、我々はUKのDJたちに目を向け、彼らが選ぶ「ベストDJ」を探ります。




Subb-anShaun Reevesを最も地に足の着いたDJとして挙げる

俺がいまいちばん好きなDJっていったら、間違いなくShaun Reevesだな。過去2年以上彼のプレイを聴いてきたけど、毎回ハズレがないんだ。選曲はパーフェクトのひと言で、ハードすぎないんだけどいつもたくさんのエナジーを秘めてる。今年はじめのBPM festivalでは彼のセットを都合5回は聴いたんだけど、そのどれもが最高だったよ。しかも、そのセットごとに異なる音楽体験を与えてくれるんだ。彼のミックスはいつも超タイトで、地に足の着いた感覚があるからこそ彼は俺のフェイバリットなんだ。彼は「DJ's DJ」、つまりDJたちから尊敬を集めるDJってとこだな。そういう意味では、Dan GhenaciaやDyed Soundoromもそのカテゴリーにあてはまるよね。質の高いハウスミュージックにかけては、そのエナジーやグルーヴのソリッドさ、そして小細工なしのプレイスタイルはまさに群を抜いてると思うね。




Eats EverythingはいまでもCarl Coxの4デッキ・テクニックに畏敬の念を抱く

僕がこれまで聴いた最高のDJセットは1998年にイビザのSpaceで聴いたThomas Bangalterなんだけど、最もフェイバリットなDJといえばCarl Coxを挙げるね。彼の作るトラックはすべてが好みというわけじゃないんだけど、彼がDJしている姿を見ているのはすごく楽しいよ。彼がスマイルすると、それがクラウドにも広がっていくんだ。そして、彼のミックススタイルだよね。90年代に彼がSpace Terraceでプレイしたときのことを思い出すと、今でも鳥肌が立つよ。

4台のターンテーブルでミックスするDJを聴いたのは彼が初めてだった。彼が絶好調のときは、4枚のレコードすべての展開を完全に把握して、それらを絶妙に抜き差しするんだ。僕も3台のターンテーブルでのミックスは随分トライしたけど、現場ではついぞ上手くいくことはなかった。彼はそれをいとも簡単にやってのけてたし、しかも彼は過去30年間のあいだ毎週末のようにそれをやってたんだよね。彼のDJは見ているだけでもすごく楽しい。




Auntie FloJD Twitchのリスクを恐れないプレイスタイルに憧れを抱く

随分トリッキーな質問だけど、より答えやすくするために俺が過去3年間のあいだSub ClubでのHighlifeやグラスゴーのヴェニュー、ロンドンのPlastic Peopleでの俺のレジデントパーティHuntleys and Palmersで競演したDJたちに限定して選んでみよう。

もし、DJの使命をダンスフロアーをロックすると同時にある種の教育を行うことにあると仮定するなら、俺は「マイ・フェイバリットDJ」のタグをOptimoのJD Twitchに与えたいと思う。グラスゴーで育った奴なら誰でも、かなり早い段階でTwitchのジャンルを超えた存在感のデカさに気付いてるはずだよ。DIYインディーでもクンビアでも、アシッドハウスでもなんでもかんでも、彼はあらゆる音楽を知り尽くした博士みたいなもんさ。だからこそ、Optimoというプロジェクトの人気を10年以上も保っていられるんだろうな。今でもまったく飽きさせないし。他のグラスゴーの奴らにとってもそうだと思うけど、Optimoが俺のDJに与えた影響はデカいね。それはDJ自体だけじゃなく、どうやってパーティをやるかってことについてもね。彼らがいなけりゃ、俺はいまほど沢山の音楽に触れることはなかったんじゃないかな。TwitchのDJを聴けばわかると思うけど、彼はとにかくリスクを冒すことを恐れない。最近じゃ、こういうタイプのDJには滅多にお目にかかれなくなっちまったな。

今年の1月はじめにTwitchを俺らのHighlifeに呼んだ時、パーティとしてはかなり不利な日程だったんだけど、結果的にパーティは大入りでさ。TwitchはHighlifeのために組んでくれたスペシャルなセットを披露してくれて、彼がいかに多様な音楽に精通してるかを示す素晴らしい内容だった。午前3時になってパーティがお開きになっても、お客さんはまったく帰る気配がなくてさ。だから、急遽イリーガルなアフターパーティをやることになったよ。そこから俺とTwitchはさらに4時間以上もDJを続けたんだ!ある時、俺と同世代のグラスゴーの友人が言ったことがあるんだ。「俺たち、みんなOptimoチルドレンだよな」って。まさにその通りだと思うよ。




SighaSilent Servantの恐るべき深さに驚嘆する

こういう質問はほんと答えるのが厄介だよ。こうやってなんでもフェイバリットを決めなきゃいけないってのは好きじゃないんだよね。そうやって決めてしまうと、なんだか身も蓋もない感じじゃん。沢山のDJがいる中で、フェイバリットをひとりだけ選び出さなきゃいけないなんて、ほんとうに悩んでしまうよ。迷った挙げ句、残ったのはSilent Servantだ。幸運にも何度か彼と一緒にプレイする機会にも恵まれたけど、信じられないほど深いところを追求しながらも同時にダンスフロアーを沸かせる彼のバランス感覚にはいつも脱帽させられる。

なかでも最も印象的だったのは、数ヶ月前に彼がBerghainで披露したオープニング・セット。アンビエントやポスト・パンク、インダストリアル、古いシカゴ・ハウスなど、沢山のセレクションとスタイルをゆっくりと、しかし完璧に繋ぎ合わせて、徐々に普段のBerghainにふさわしいハードなサウンドで満たしていったんだ。中でも、彼がThrobbing Gristleの"Hot on The Heels of Love"をプレイした時には完全にやられたね。僕が彼に魅かれる理由は、テクノ以外の部分も含めたその音楽性に共感しているからなんだけど、この時のセットはまさにそれを証明していたと思うんだ。




D-BridgeCalibreのソウル感覚を賞賛

俺が知る中で最も実力のあるDJ、それがCalibreさ。奴は決して出しゃばるタイプの人間じゃないし、とりたてて目立つタイプのDJじゃないんだけど、奴のDJはいつだって素晴らしい。奴のDJを聴くたび、俺は複雑な気持ちに捕らわれるんだ。奴は主に自分のトラックを中心にプレイするんだけど、俺が知ってるはずのトラックでも毎回のように打ちのめされるんだ。それは同時に、憎たらしいほどの才能を奴が持っているということでもあるんだけど。奴のプロダクションの一貫した水準の高さ、簡潔さ、そして率直なソウル感覚は驚きに値するよ。俺を「これはいったい何だ?」って訊きたい気持ちにさせてくれるDJは奴だけさ。ドラムンベースが好きなら、一度は彼のセットを聴くべきだし、奴がプレイしている音楽を賞賛するべきだ。まったく小細工なしの、ひたすら美しいソウル・ミュージックだよ。




Percは常にSurgeonのセットにインスパイアされている

好きなDJはたくさんいるけど、とりわけ過去10〜15年のUKテクノを振り返ってみると、Surgeonほど毎回驚きを保証してくれるDJはいないんじゃないかな。彼があまりフィットしてないんじゃないかって思われるようなヴェニューやイヴェントでさえ、彼のセットは結局いつだってその場を掌握してみせるんだ。それでいて、彼自身だけじゃなくクラウドもしっかり満足させるようなプレイができてしまうんだ。

2011年のFreerotationでの彼のセットは、John Coltraneの曲に彼独自のクラシックなテクノ・スタイルをブレンドしてまったく新しいアイデアを見せてくれた。彼のDJにはいつもインスパイアされるし、同時にエナジーを与えてくれる。僕のリスナーとしてのキャリアにおいても、彼がWarpやFabricから発表したミックスが重要なキー・ポイントになっているよ。彼の『10 Years of Birmingham Techno』は間違いなくその一時代を余すところ無く切り取った決定版だと思うし、現在主流となっているサウンドにも大きな影響を与えているよね。

Words / RA
Translation / Kohei Terazono
Published / Thursday, 18 October 2012

Photo credits /
Shaun Reeves - Oliver Correa
Carl Cox - Yanne Golev
JD Twitch + Calibre - Daddy's Got Sweets
Silent Servant - Cheyenne Bosco
Surgeon - Zhi Wei


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