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Label of the month: Life and Death
Label of the month: Life and Death

Hot Creations、Visionquest、Crosstownを追うイタリアのレーベルにRAのTodd L. Burnsが迫る。

Tale of Usはミーティングに遅れていた。というよりも約1日早かったというのが正しい。今月初め、Matteo Milleriから私のところへランチミーティングについて慌てた様子で「遅れてる! ごめん!」と電話がかかってきた。彼らに会う約束は翌日だったし、その日のランチを既に終わらせていた私はどうしたら良いのかわからず、「了解。後ほど」と答えるしかなかった。そして彼らがそのことに気付いたのは、彼らと2度目のランチを済ませた後だったようだ。「おっと、ちょっと待ってくれ。今日って水曜日?」

Matteo、そしてパートナーであるCarmine Conteを責めるわけにはいかない。このデュオは現在最も注目を集めるハウスミュージックユニットで、ここ1年半に渡り急速な勢いで人気を獲得してきた。彼らのオリジナル作品はVisionquestからのEP1枚だけだが、Thugfuckerの“Disco Gnome”のリミックスを始め、多数のリミックスを手掛けており、現在非常にせわしないDJスケジュールをこなしている。他の売り出し中のアーティストたちと変わらず、彼らも殆どのオファーを断らず、自分たちの実力を披露して、ファンに次への期待を持たせるという活動をしているのだ。しかし、それには、例えば前述したように何曜日にベルリンへ戻ってきたのか分からなくなってしまったり、アルバム制作が伸びてしまったりという犠牲が伴う。

「(アルバムは)あと少しだよ。あとちょっとさ」とMatteoが答える。

あと少し?

「70%だね。今ちょっと時間を置いて、しばらくしたら仕上げるよ」

そう、Tale of Usと彼らの仲間が運営するレーベル、Life and Deathに今足りないものは時間だ。“Disco Gnome”のリミックス以降、彼らは非常に忙しい日々を送ってきた。そしてそれから2年近くが経った今、ようやく全てがまとまりつつあり、次の段階へ向かう時を迎えている。






「俺たちはWarpみたいなレーベルになりたいんだ」とレーベルの中核メンバーの1人であるDJ TennisことManfredi Romanoが、長いブランチの終わりにようやくレーベルをどこへ導きたいのかについて答えた。ここでのWarpはダンスフロアにそこまで特化しないエレクトロニックミュージック、またはエレクトロニックですらない音楽のレーベルという意味で引用されており、Manfrediは、レーベルは徐々にポップとエレクトロニックの境界線が曖昧になってきている段階で、今後はバンドのリリースも予定していると説明した。

WarpはManfrediのレーベルのビジョンとしては良い例だが、Life and Deathの音楽的な方向性やサウンドとの類似性と言う意味でより近い例を挙げるとすれば、Kompaktになるだろう(ちなみにMatteoは好きなレーベルの1つにKompaktを挙げており、Tale of Usという名前もSupermayerのトラック名から取られている)。実際、Life and Deathが今までリリースした6枚のEPは、Kompaktのサブレーベル、Kompakt Popからリリースされていてもおかしくない内容で、温かくポップなシンセ、そしてそれよりも更にポップなボーカルが詰まっているトラックもある。よって、Kompaktがディストリビューションを担当していること、そしてDJ TennisにEPのリリースを持ちかけたのは、納得のいく話だ。


しかし、レーベルは多方面からサポートされている。これはManfrediがイタリアのブッキングエージェントで多数のアーティストを抱えており、様々なシーンに関わり、様々な音楽を聴いているということが一因だ。そしてManfrediは若い頃にパンクやハードコアに傾倒し、Black Flag、DOA、fIREHOSEなどを聴いて育ちつつも、「音楽」という大きな括りでは常に貪欲に且つオープンな姿勢で様々な音楽を聴いてきた。

そして幅広く音楽を聴いてきたことが、結果的にTale of Usに音楽を教えることになった。Matteoは、「彼が俺たちにBoards of Canadaを教えてくれたんだ。聴いた時はウォー!ってなったのを憶えているよ」と振り返る。Manfredi、そしてThugfuckerことGreg OreckとHolmar Filipssonなどが受けた様々な音楽的影響は、彼らが決めるレーベルのリリース作品に顕著に表れている。ManfrediにTale of Usに惹かれた理由を尋ねると、作品は当然だが、彼らの感性にも惹かれたとし、「彼らはまだまだ若い。でも彼らのトラックの選び方、USのポストハードコアやポストパンクからNinja Tuneの90年代のトリップホップ、そして70年代のサイケなトラックに影響を受けている彼らのサウンドにその感性を感じることができる。彼らは音楽で遊んでいるんだ」と説明した。

Tale of Usがポストハードコアから直接影響を受けているかどうかについては、首をかしげる人がいてもおかしくはないだろう。しかし、彼らが以前発表したRAのpodcastを聴けば、Fugaziの“Sweet and Low”のギターリフが、(Life and Death Live Keyboard)というクレジットで収録されていることに気が付くはずだ。同様にレーベルもPhotekからLarry Heardと非常に幅広い人選でビッグネームをリミキサーとして選択していることからも、その「感性」を見出すことができるだろう。しかし、彼らは単純にネームバリューを追っている訳ではない。Life and Deathのサウンドがどう変化できるのかという純粋な興味から選んでいるのだ。

しかし、この部分が問題を抱えていることについては、Tale of UsもManfrediも気付いている。 Manfrediの周りにはハイプが頻繁に飛び交っており、本人は“Disco Gnome”のリミックスをかけろと客から言われなくなった後でもTale of Usが今日的な意味を持つアーティストして残る存在であることを証明しようとしている。レーベルとしての独自のキャラクターが時間をかけて形成されることに繋がるような作品が、レーベルにとっての最初のアルバムになるというわけだ。そしてその作品とは今年後半にはリリースされるClockworkの作品だ。タイトルは未定だが、これは非常にバラエティに富んだ作品となっている。ハイライトの1つは、ガラージのビートにJunior Boysを想起させるようなシンセのメロディーラインが乗った“Running Searching”だろう。また、大半のトラックは彼らがこれまでリリースしてきた4/4のハウスビートではなく、ブレイクビーツを用いた作品になっている。少し寂しい話ではあるが、ヘッドフォンで聴くには楽しめる作品だ。そして、このホームリスニング的な方向性は、ClockworkとLife and Deathがこの先力を入れていきたい方向性のようだ。

また、Tale of Usは、自分たちのアルバムがLife and Deathからリリースされるかどうかについてはわからないと語る。実際、最終的により大きなレーベルからリリースされる可能性もある(R&SやKompaktから話があったら、誰も責められないだろう)。しかし、彼らの作品がLife and Deathからリリースされるかどうかは、レーベルが目指す方向性を考えるとむしろ問題ではないように思える。数多くのレーベルが初期段階で「仲間」を築き上げていくのとは違い、彼らは誰の音楽であろうと、良い音楽を届けることに注力をしたいようだ。Life and Deathは近日中にコンピレーションEPをリリースする予定で、このEPではChristian Löffler、Ryan Crosson、Roland Appelなどがレーベルデビューを飾る。予定通りに行けば、そして何よりも彼らに時間があれば、沢山のアーティストがこの先名前を連ねることになるだろう。



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Life and Death Mix
DJ Tennisが今月のLabel of the monthミックスを担当した。レーベルの新旧の作品を聴くことができる。

Download: RA Label of the Month 1208 Mix: Life and Death
(right click + save target as)
Filesize: 120.3 MB
Length: 00:50:06

Translation / Tokuto Denda
Published / Wednesday, 12 September 2012


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