RA
RA Japan
RA
Global
Local
Music
Interact
フォーラム 最新
Search RA
Jimmy Edgar: Look into my eyes
Jimmy Edgar: Look into my eyes

ベルリン在住のHotflushのプロデューサーが瞑想、過去への退行、そして催眠について語る。


Jimmy Edgarは突拍子もないことを言う人物だ。作品ではかなり卑猥な内容について歌っているが、1人の人間としては非常に深い内容を話す。アーティストとしての自分と個人としての自分を分けているのかどうかは私には分からない。Edgarのアーティストとしての活動は非常に長く、バイオグラフィーでは「10歳からエレクトロニックミュージックに触れ始め、15歳からレイブでパフォーマンスを開始した」と書かれており、その早熟な才能は2004年にWarp Recordsと契約することで本格的にスタートした。そしてエレクトロに影響を受けたシンセポップで描かれる彼の世界観は、“I Wanna Be Your STD”や“Heart Beat Sexual”などのトラックで世界中へ広まっていった。

このような作品は、若くしてJack KerouacやBauhausに大きな影響を受けたEdgarの混沌とした人生の産物と言えるものだったが、2012年に変化が訪れた。ドラッグを断ち、瞑想をはじめ、クリーンになった彼は、“Sex Drive”や“In Deep”といったトラックをリリースした。変化していない部分も勿論ある。しかしTauron Nowa Muzyka festivalへの出演を控えた今回のインタビューで、彼の制作プロセス、そして人生についての考え方も大きく変化したことが明らかになった。ベルリンの明るい空の下で、Edgarは自分が手に入れた「現実」について満足していること、そしてテキーラ醸造所のメキシコ人少女などについて延々と語った。





今年前半に行われたインタビューでは、『Majenta』について全く満足していないと語っていましたが、本当ですか?

ああ、基本的には満足しているね。俺が言いたかったのは全然違うプロセスで作ったということなんだ。早くラフな形で作っていったのさ。以前のアルバムのように時間をかけて作らなかった。

制作プロセスを変えた理由は?

音楽について考えすぎてしまうと、まぁ、俺は特にそうなんだけど、エディットし過ぎた強烈なサウンドになってしまう。それを少し抑えたかったのが理由だね。俺は細部までこだわる人間だから、ちょっと落ち着かなかったけど。

聴き直すことはありますか?

結構聴き直すよ。最悪だと思うトラックは2曲だけだね。他のはかなり気に入っているし、俺の中のベストと言えるトラックもある。全体的には快適さと気持ちよさを求めたものだ。怒りみたいな感情は人によってはクリエイティブな活動の助けになると言うけれど、俺の場合は助けにならない。クリエイティブになろうとしている時に、クソみたいな気分でいるのは逆効果だね。俺は自分にフィットする制作プロセスを見つけたんだ。いつでも取り掛かれるようにね。こうすることで、全部が素晴らしいトラックになるとは言えないけれど、少なくとも数が生み出せるからね。どこかのタイミングで試したりできるし。

制作中のトラックをライブでプレイして、チェックすることはよくありますか?

時々ね。でもインスピレーションが生まれて何か良いものが生まれそうな時はまず完成させる。人付き合いが悪くなって、一晩中作業することになるとしてもね。

基本的にあまり寝ないという話をインタビューで読みましたが。

最近はそうでもないんだ。数年前から瞑想を始めてね。それ以来のめり込んでいるんだ。以前よりもバランスの取れた人間になったと思う。もうイラついたりしないし。昔はそういう感情が制作に重要な位置を占めていたんだけどね。

先程あなたはイラついたり怒ったりしているとクリエイティブになれないと言っていましたが、そういう感情で制作することもできたんですか?

できるよ。ただそうしたくないって話さ。制作中は勿論、基本的にもう怒りたくないんだよ。まぁ、そうなってしまう時も確かにある。でも18歳の時みたいに、派手でドラマチックな人生を送って、制作の材料になるような面白い何かを常に自分の周りに置いていた時代よりも非生産的だってことが分かったんだ。そういうのは10年経ってある意味卒業した。

当時はどうしてそういう生活を求めていたのでしょう?

昔あこがれていた人物や読んでいた本を振り返ってみると、俺の興味は凄く感情的な人物や、若くして破滅的な人物、そして若くして死んだ人物やドラッグ中毒者だった。Kerouacや「裸のランチ」みたいな作品に凄く影響を受けたし、そこから俺は幻覚剤や他のドラッグに興味を持ったんだ。あとはDavid Bowieの大ファンだったし、BauhausやKilling Jokeを良く聴いていた。

瞑想が必要だと感じたのはいつのことだったのでしょう?

ニューヨークを出て、自分をクリーンにした後、何かを求めている自分に気が付いた。若い時から瞑想は試していたしね。眠る前にやっていた。あとは母親の影響だな…。彼女の宇宙人やら瞑想についての色々な話を聞きながら育ったからね。

特定の種類の瞑想を行っているのですか?

基本的には色々組み合わせたものだ。続けていくとみんな自分なりのやり方を身に着けるようになる。俺はDavid Lynchの大ファンだから、彼の講義に顔を出したんだけど、その時に彼は超越瞑想について話していた。でもその費用とか、世界を守るだのなんだのくだらないことを自慢していることに気が付いて、かなり引いたよ。でも瞑想自体には興味があったから、そういうくだらない部分は必要コストなんだと思うことにした。





瞑想であなたが一番驚いた部分は何でしたか?

凄く簡単だってことだね。みんな時間がないとか、疲れているとかを言い訳にするけど、凄い皮肉だよ。

瞑想が音楽の制作プロセスの助けになったということですが、クリエイティブな作業全体に影響を及ぼしたのでしょうか?

そうだね。瞑想は基本的には一種の催眠や神経言語学(プログラミング)みたいなものだ。俺はこの手の勉強を数年して、修了したんだけど、要するに信じられないから興味を持ち始めたんだ。

催眠は少し疑わしいなと思っているのですが。

100%リアルだよ。俺も最初はみんなかかったふりをしているんだと思ってた。でも自分の考えが凄く狭かったことに気が付いたんだ。落ち着いて考えてみると、日々の生活で人間はありとあらゆる催眠に晒されている。テレビはその最たるものだ。あれは催眠の最も分かりやすい例だよ。テレビを見ている人の顔を見てみれば分かる。

テレビはかなり受動的ですが、神経言語学(プログラミング)はかなり能動的な催眠と言えます。

かなり控え目な催眠と言えるだろうね。対話によって影響を与えていく。これは人間の普通の生活と一緒だよ。だから俺が勉強を始めた時、凄く自然に理解することが出来たのは面白かった。自分が何かを必要とする時にやっていることだって気付いたんだ。

私は最近Louis Therouxの催眠についてのドキュメンタリーを見ました。

ああ、俺も見たよ。Louisを催眠にかけようとして、全然かからなかった場面があっただろ? あれは本人が必要としていないからそうなるのさ。

一般的な問題だと?

全体の3分の1が簡単に催眠状態に陥る。催眠というのは気を逸らすことと、自分が欲しているものへ意識を誘導することなんだ。催眠には本当に沢山のテクニックが存在する。次の3分の1は、君や俺みたいに考えすぎて、懐疑的になる分析家タイプだ。彼らの中で、自分が知っている人で、自分を信用してくれている人は、催眠にかけることが出来る時がある。残りの3分の1には常に意識をかき回すテクニックを使用しなければならない。混乱させて、意識を散漫にしなければならないだろうね。勿論、全くかからない人も中にはいる。でも俺に言わせれば彼らは経験することを拒否しているわけだから、非生産的な活動をしているよね。


「18歳の頃は派手でドラマチックな生活をして、
制作の材料になるような面白い何かを
手に入れていた」




催眠は何に向いているのでしょう

提案だね。人に大きな変化を与える助けになる。俺は人の禁煙を助けたことがあるし、友人を過去に退行させて、彼らの中の無意識と繋げてあげたりもした。前世と繋がれるかどうかは別として、彼らは今の生活の中で問題を抱えていることがあるから、その問題を他のキャラクターとして具現化すると、少し楽に問題を受け入れられるようになる。これについては色々な意見があると思うけどね。

過去では誰でも「王様」や「王女」になりますよね。面白いと思います。

そうとも言えないんだ。俺は「クレオパトラ」な時期があったという数多くの人間に出会ってきたけれど、同時に過去の人生が非常に退屈だった人間にも出会っている。もう死んでしまった俺の親友と過去への退行を行ったことがあるけれど、彼はメキシコシティ付近の街の少女だった。彼はその自分の誕生日もはっきり覚えていた。それは約100年前だったんだけど、テキーラ醸造所で幼くして死んだんだ。催眠を終えた後、俺たちは凄い経験だと思ったよ。親友は凄くリアルだったと言っていたから、色々調べたんだけど、新聞記事の切り抜きで同じ年の女の子の死亡記事を見つけたんだ…。

基本的に俺はこういう現象について偏見を持っていなんだけど、俺たちが知らない別の次元が存在していること、そして人間では理解できないものがあることも知っている。だからそれがリアルかそうじゃないかは人に話しても意味がないんじゃないかって思う。自分の頭の中だけでのみリアルなんだ。世の中には沢山の文化が存在していて、これは古代文明も含まれるんだけど、社会生活を完全に違う考え方で捉えている。俺たちが想像さえできないような別の形で俺たちの文化よりも優れている文化も存在すると思う。





あなたは数多くのコラボレーションをこなしていますが、その理由は?

俺は他人に影響を与えるのが好きだし、逆に他人から影響を受けるのも好きだ。あとは一歩引いて見れるというのもいいね。エゴが大きくなるとどうなるか分からなくなってしまうから。俺はMashinedrumと4曲入りのEPを終わらせたところで、もう少しでリリースされる。彼は俺の親友の1人だし、素晴らしい経験だったよ。いつも何かやろうって言ってたんだけど、お互い忙しくて時間が取れなかったしね。2人とも気に入っているよ。

あなたとMachinedrumの共作はどういう作風なのでしょう?

そこが他人とのコラボレーションの面白い部分さ。いつも違った側面が現れる。俺とTravis(Machinedrum)の場合は、とにかくお互いに良い印象を与えようと頑張っていたんだ。でもこれは良いことだと思うね。2人ともお互いの音楽が好きだし。自慢大会ってわけじゃないんだ。俺たちはお互い別のテイストを持ったアーティストだし、違った形がぶつかり合うのは自然なことだ。お互いの文章で作品を締めくくれるような仲が良い友人だしね。

最初に会ったのはいつですか?

最初は17歳の時に日本で会った。2人で初めて行った国の1つだった。でも知り合ったと言う意味ではインターネットだ。レーベルメイトだったからね。

そこからのあなたたちの成長は非常に面白いですよね。2012年に2人ともベルリンに住んでいるなんて当時のあなたは想像できなかったのではないですか?

そうだな。今日がどうなっているかなんて想像できなかったよ。でも自分で望んできた生活ができていると思う。多くのミュージシャンの友人の代弁者みたいなものかな。当時掲げていた目標よりも今日の方が良いんだ。素晴らしいことさ。自慢したいから話しているわけじゃないよ。でも「本当に信じていれば、いつか叶う」っていう言葉は本当だと思う。

俺が好んでこう言うのは、若かった頃はこの言葉を聴くのが嫌いだったからさ。当時の俺は「そんなのくだらないね」って感じだった。でも時間をかけて我慢して、全力を傾ければ、何だって手に入れることができる。残念ながら多くの人は酷いものを欲しがっているけどね。俺はデトロイト出身だし、あそこはネガティブな感じに溢れていて、人々はくだらない現実を欲している。嫌な仕事を好んでしている人もいる。そうすることでしか学べないと思っているんだ。

ある程度目標を達成した今、あなたが実現を目指しているものは何でしょう? 4、5年先のあなたはどうなっていると思いますか?

わからないな。一歩ずつ進んでいくだけだよ。誰も完ぺきじゃない。俺は特にそうだし。俺がさっき言ったのはそういう意味じゃない。俺も未だにみんなと一緒で自分を傷つける時がある。でも、くだらないことに集中するよりも、とにかく前向きな影響を受けようとしている段階にあるってことなんだ。

Translation / Tokuto Denda
Published / Thursday, 16 August 2012

Photo credits /
Header - Magdalena O
Live - Ben Robert



Share this article



Features















Other features
スタジオに欠かせないがつい手を抜きがちなスタジオモニター。手頃な価格帯の製品をRAが紹介する。(価格は欧州での販売価格)
スタジオに欠かせないがつい手を抜きがちなスタジオモニター。手頃な価格帯の製品をRAが紹介する。(価格は欧州での販売価格)
現代テクノ界において最も注目すべきプロデューサーのひとりであり、同時に最もインタビューしづらい人物にRAのTodd L. Burnsがインタビューを試みた
現代テクノ界において最も注目すべきプロデューサーのひとりであり、同時に最もインタビューしづらい人物にRAのTodd L. Burnsがインタビューを試みた
My Favourite DJ :第4回「日本」
My Favourite DJ :第4回「日本」



RAについて  
スタッフ  
モバイル (beta)  
イベント投稿  
Copyright © 2013 Resident Advisor Ltd.
All rights reserved. 利用規約 & プライバシー.