Walter Carlosの『Switched-On Bach』と共に、エレクトリック・ミュージックの歴史に大きな功績を残した日本の音楽家、冨田勲による1974年のアルバム『月の光』(Snowflakes Are Dancing)。この作品は、一台のMoogモジュラー・シンセサイザーをオーケストラに見立て、19世紀のフランス人作曲家、Claude Debussyの代表作の一つ「月の光」をMoogモジュラー・シンセサイザーのみの多重録音という気の遠くなる作業を経て誕生したアルバムだ。機能的に無限の可能性を持ったソフト・シンセサイザーが主流の現在、彼が世界に与えた衝撃はなかなか実感出来ないかもしれないが、その後のエレクトリック・ミュージックは彼の残した功績を土台の上に成り立っているといっても過言ではない。