しかし、コンプレッションを使用した処理方法の中には、コンプレッション本来の透過性を逆に使った、上記のリバーブやディレイの使用方法のような「あからさま」なものがあります。その最良の例が、サイドチェーン・コンプレッションで、これはダンスミュージックの様々なジャンルで使用されているテクニックです。通常は、コンプレッサーをミックスのアウトプットチャンネルにインサートすることで、ミックス全体にダイナミックレンジの調整を行います。しかし、トラックの自然なダイナミクスの動きに対してコンプレッサーを反応させるのではなく、サイドチェインチャンネルを経由して別のインプットをコンプレッサーのトリガーとして使用するのです。こうすることで、コンプレッサーはそのサイドチェインチャンネルのインプットソースのタイミングでサウンドにコンプレッションをかけることになります。サイドチェインのトリガーにはどのサウンドを使用しても構いませんが、一番よく使われているのはキックです。これをトリガーに使用することで、キックが鳴るたびにコンプレッサーがかかり(もしこのコンプレッサーをアウトプットチャンネルで使っている場合は、ミックス全体に影響することを忘れないようにしてください)、そのサウンドのレベルが明らかに下がります。このテクニックはEric Prydzの”Call On Me”で使用されていますが、その他にも数多くのトラックで使用されており、スムースではない激しいコンプレッションを故意に生み出しています。この使用前、使用後のサンプルを聴いて、どのような効果が生まれているのか聴いてみましょう。