ロンドンで生まれたまったく新しいフォームの音楽がようやく「ダブステップ」という呼び名を与えられた頃、日本にいながらにしてGoth-Tradはすでに本人の与り知らないところでそのシーンの先頭を駆け抜けていた。彼はダブステップ黎明期のビッグネームたちに大きな影響を与えるトラックの数々を生み出し、国外をツアーし、日本国内においても自身のマンスリー・パーティーBack To Chillを通してその新たな音楽的ムーブメントの種を蒔いて着実に育んできたのだ。
1 曲目の"Man In The Maze"ですね。自分のビートのストックの中でも凄く仕上げたかった曲で、ある程度の形…メロディの一部だったりとかイントロの部分だけは出来ていて、でもそこから仕上げられなくて。でも、この曲は絶対に仕上げてアルバムに入れたいと2年くらい前から思っていて。で、3月11日の後にアイデアとタイトルがバッと浮かんで、仕上げたんです。
アルバム全体のコンセプトいうのは、3月11日以降の気分というのが反映されているのでしょうか?
そうですね。自分の中では衝撃的なことだったし…日本に住んでいる人はみんな被害者だと思うし、本当に困惑して…。”Man In The Maze”は、みんな困惑している中、どうしたらいいんだろうとか、歯痒さとか苛立ち、怒りだとか、そういうものを持っていて。
その当時…ちょうど 2006年にイベントBack To Chillを始めたんですけど、その頃にまたイギリスに行って。その前にMalaとMySpaceを通じて初めてやりとりをしたんですよ。Malaも自分のMySpaceに上げている曲を気に入ってくれていて、「明日FWDに遊びに行くから会おうよ」っていうので会って喋って、「明日Soul Jazzのパーティーがあるから遊びに来なよ」って誘われて行ったらDMZのカタログを全部くれて。以前からMalaの曲とかDigital Mystikzは知っていたけど、そこから交流が増えていって。そのときは”Back To Chill”を12インチで出したいというレーベルがあって、そことも話したんですよね。それで、帰ってきて”Cut End”などの新しい曲をアップしたらMalaから「Deep Mediでサインしたい」ってコンタクトがあって。
そのときはアガりました?
いや、もう少し冷静でしたね。そのときは、「Back To Chill」をリリースしたSkudから、12インチを何枚か出した後にアルバムを出したいっていう話もあったんで、結構クールに見ていましたね。その当時は英語も達者ではなかったし、レーベルとのやりとりの仕方とか、どうしようかと冷静でした。