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Behind the scenes at DFA: Jonathan Galkin
Behind the scenes at DFA: Jonathan Galkin

RAのMichaelangelo MatosがNYの名門レーベルDFAのマネージャーへインタビュー 。

DFA Recordsはその登場当初、ロケット花火のように一瞬の煌めきを見せるだけの一発屋的レーベルだと思われていた節があるが、しかしその実DFAはダンスやその周辺を巻き込みながら同世代のレーベルの中ではもっとも息の長いレーベルとして成長した。DFAのオリジナル・プロダクション・チームであった3人—James Murphy、Tim Goldsworthy、Jonathan Galkin(レーベルの実務を手掛けている)によって設立されたDFA Recordsはちょうど10年前の2002年、The Rapture 「House of Jealous Lovers」やLCD Soundsystemの「Losing My Edge / Beat Connection」といった12インチを皮切りに快進撃を開始した。以来このレーベルは着実かつ抜け目無く、非常にスマートなやり方を貫き続けている。

このレーベルが残してきた足跡はあらゆるシーンのあらゆる場所で見つけることが出来る。ダンスミュージックのファンであっても、過去10年のシーンがDelia Gonzales & Gavin Russom "Relevee" のCarl CraigリミックスやStill Going "Still Going Theme"および"Spaghetti Circus"、The Juan MacLean "Happy House"、Hercules and Love Affair "Blind" (オリジナルおよびFrankie Knucklesリミックスの両方)、Walter Jones "Living without Your Love"、Benoit & Sergio "Principles / Everybody"といったDFAの名曲群を抜きにしては語れないことを知っているはずだ。もちろん、ここに挙げたレコードはほんの一部でしかないが。LCD Soundsystemにいたってはその影響力の大きさは言うまでもないし、Yachtはインディー・ロックを侵食しBlack Diceはノイズシーンにも深く食い込んでいる。DFAというレーベルにはほんとうに多くの側面があり、WarpやKompaktの次世代的なレーベルという捉え方もできる。

DFAにおける音楽的な方向性を含めたヴィジョンの大部分はJonathan Galkinが担っている。彼は2001年以来のJames Murphyの友人であり、Murphyがイースト・ヴィレッジのPlant BarでレジデントDJを務めていた時期に出会ったという。Plant Barは当時Marcus Lambkin(のちにDFAからもShit Robotとしてリリースする)がオーナーを務めていたヴェニューで、バーにはときおりthe RaptureのLuke Jennerが入ってもいた。Galkinは"House of Jealous Lovers"のデモ・ヴァージョンを耳にしたときすぐにリリースの約束を取り付けたという。Galkinはこう語る。「the Raptureがどんな音楽的な背景から出てきた音楽なのか、実はほとんどよくわかっていなかったんだ。でも僕は学習するのが早いほうだったから、すぐに理解できるようになっていった。頭の中には北アメリカの地図が全部インプットされてて、どこでどんなことが起こってるのかすぐわかるようになったしね。いろいろレコードを買ったり、遡って聴いたりしてそういうサウンドのルーツがSix Finger Satelliteみたいなバンドにあるってこともわかったよ」

Galkinの出自は以下のインタビュー中でも触れられている。このインタビューは7月にDFA Recordsのウェスト・ヴィレッジにあるオフィス(キッチンとシャワーの付いた小さなアパートで、もともとはJames Murphyが住んでいた)で行われた。インタビュー中は主にDFAの内部やその歴史について、そしてレーベルの明るい見通しについて迫った。



Jonathan Galkin in a more innocent time.
いま現在のDFAのレーベルとしてのあり方はいったいどのようなものだと考えていますか?

イメージとは裏腹に、至極伝統的なスタイルのレコード・レーベルだと思うよ。今も変わらずにね。とはいえ、ある意味では自分たちを見つめ直す段階にきているのかなとも考えてる。まあ、僕らがやっていることは伝統的なレコード・レーベルの仕事そのものだよ。シングルをリリースして、フルアルバムをリリースして、プロモヴィデオを作ったりね。

DFAに対する人々の最初の印象はどのようなものだと考えますか?

すごくオーガナイズされたサブカルチャー・ムーブメントって感じかな。僕らの宣伝のやり方のせいでもあるだろうし、ダンス12インチもリリースしているしね。まあ、ちょっとつかみ所の無いレーベルって思う人も多いかもしれないけど、だいたい人ってみんな考えすぎちゃうとこがあるから。

それはつまり、人によってはダンス・レーベルだと思っていたりそうじゃないと思っていたり、もしくはその両方だと思っていたり・・・ということでしょうか?

そうだね。どれくらい謎に思われているか、とかね。どう受け止めてもらおうと個人的には構わないけど、みんなが思い描いているほど謎の多いレーベルってわけじゃないと思うな。こんなところにオフィスを構えてるのも意外に映るんじゃないかな。みんなウチのオフィスは洞窟みたいなクラブの中にあると思い込んでるみたいね。

DFAに関してはあきらかにそうじゃないですよね。実際はすごくこぢんまりとした居心地の良いオフィスです。さきほど「自分たちを見つめ直す時期にきている」とおっしゃいましたが、もう少し詳しく教えていただけますか?

まあ、いろんな意味でね。James [Murphy] とは最近レーベルの今後についてけっこういろいろと話し合ったんだ。イベントやパーティをやってこれまでも成功してきたけど、たとえばあるブランドや企業と提携してイベントやパーティをやれば、僕らの収入的にももっと楽になるんじゃないか?とかね。これはまあ今後集中していくプランのひとつでしかないけど。

DFA主催でパーティをやる、ってことですか?

そう、世界中のいろんなところでね。やるならスペシャルなパーティにしたいし、ある意味では慎重にやらなきゃね。僕らや僕らのレーベルに所属するアーティストのみんなはあまり型にはまったやり方はしてきていないと思うし、それは究極的には僕らにとってはおそらくあまり利益になることじゃないという側面もある。でもKitusnéやEd Bangerみたいなレーベルを見てみると、彼らは僕らよりもはるかにイベントやナイトライフ、クラブナイトを重視してるよね。僕らがパーティをやるときは毎回その場限りでやってきたってのもある。

LCD SoundsystemがDFAから離れたことでそれがやりやすくなった部分もあるのでしょうか?

うん。Jamesがいるのといないのとじゃかなり大きな違いがある。過去6年間、彼が「時間がない!」って言うのを聞き続けてきたけど、今じゃ彼は「暇をつぶすのを手伝ってくれ」って言ってるよ。まあ、本当に彼がそれを手伝ってほしいと思ってるかは別としてね。彼はパーティをやるのが好きなんだ。the Raptureのラジオプログラム用の台本を考えたりするのを積極的に手伝ったりするつもりはないけど、そういうのが彼の本当にやりたいこととは思えないしね。彼がシンプルに「パーティがやりたいんだ」って考えるんなら、僕もしっかり協力するよ。

あなたやJustin Millerが話し合っているところにJamesが首を突っ込んでくるという感じですか?

レーベルの運営業務って点においては、そうだね。

Jamesが山ほどアイデアを抱えてやってきて、集中砲火のようにまくしたてる、と?

そうだね。

それはレーベル業務のすべてに関しての包括的なアイデアですか?「ここをこう変えようぜ」とか?

冗談めかして言えば、彼がすぐに興味を示すのはある特定のことだけさ。レーベルのありふれた日常業務には彼はほとんど興味は示さない。いわゆる伝統的なプレス対応やラジオ、マーケティングとかそういうのにはね。イベントとかパーティとか、あとグッズを作ったりとかって話になると彼は俄然興味を持ち始めるのさ。コーヒーカップを作ったり、Tシャツのサイズ設定はどうするとか、タオルを作るかとかそういう話だよね。

彼が興味を持つかどうか試すのはいつも可笑しな作業でさ、メールを送って何日間も返事が無かったかと思えば、「ピーチ・カラーのエスプレッソ・カップを作るのはどう?」なんて内容のメールを送れば20分後には「いいアイデアだ。じゃあこういうのはどう?」なんて速攻で返事が返ってきたりする。で、他のエスプレッソ・カップのリンクを貼ったメールが帰ってきて、4オンスだとか6オンスだとかのね。「ソーサーも作っちゃおうぜ。いいアイデアだろ?パッケージも凝ったものにできないかな?箱にステッカーを貼ったりすることはどうかな?」みたいにやたら詳細なアイデアが送られてくる。でも、音楽そのものにはそれほど食い込んでこないんだよね。彼が興奮するのはグッズとか補助的なものに対してなんだ。

以前Justin Millerが話してくれたんですが、彼が2種類のDFAトートバッグのデザインプランを見せたところ、Jamesはそのどちらともボツにしたとか。彼は完璧主義者的な側面があるようですね。こうしたグッズ関連の話と、今後の音楽ビジネスがどうなっていくかという話は合致するのでしょうか?

そうだね。彼がほんとうに興味を示して入れ込むのはそういうグッズ関連の話だね。彼の今のポジションを使って人々を引き寄せたり、企業やスポンサー、ビジネスパートナーの興味を引きつけることはできるけど、そういうのは以前だったら考えられなかったことだしね。今じゃほとんど限界は無いと言って良いよね。会いたい人に会って、一緒に仕事出来るわけだし。

このオフィスのドアには「DFA」という表記は無いですよね。近所の人たちから正体を分からなくしておくのは大事なことなんですか?

いや、実際その通りなんだ。望まざる訪問者は遠ざけておきたいのさ。スタジオはミステリアスなままにしておきたいんだ。Jamesなんかウェブサイトにほとんど情報を載せてないだろ。彼は静かにしているのが好きなんだ。以前はヨーロッパからの旅行者が僕らにデモを渡したり喋ってみたいがために事務所に押し掛けてきたり、かなり面倒だったからね。

DFAはヒップなレーベルだと認識されているからなおさら、デモテープを拒否された人々はそれを個人的に捉えるのかもしれませんね。

その通りだね。あまり個人的に受け止められるのは勘弁願いたいとこなんだけどね。ある程度名が売れてる人ほど個人的に捉えてしまうから。誰が誰とは言わないけど、ダンスミュージック業界でDFAからレコードを出したいって人がいたんだ。その人の作品を全部聞いた上で、「これは僕らのレーベルに合ってない」って判断したんだけど、それが気に入らなかったのかちょっとした揉め事になってしまってね。僕はただ「あなたの音楽のファンではあるけど、個人的にはファンのままでいたいんだ」みたいに伝えて、それでOKだと思ったんだけどね。そう、僕はいろんな音楽のファンだから。

こういった温度差を学ぶのに長い時間がかかったのですか?

そうだね。でもこういう揉め事はいつだって起こりうるし、僕がなにを言おうと物事が勝手に悪い方向に向かったりすることはあるよね。

JamesやTimがJanet Jacksonのバックを引き受けるとかどうとかっていう噂が囁かれたあの件についての話ではないのですね?

いやいや、もっとアンダーグラウンドなレベルでの出来事さ。「わ、これ凄いな」っていう最初の感動があったり、そういう人にリミックスを依頼すると彼らはすべての音源を送ってくるだろ。僕らのレーベルの抱えてるバンドだけで日常的な業務をこなすだけで精一杯なのさ。僕らの12インチリリースを全部並べてみると、そのすべてにどこかしら共通性や一貫性があるだろ。でもそれぞれのリリース単体はすごく変わってる。あるプロセスに従ってリリースしていくと、そういうピンホールのようなものがでてくるのさ。そのプロセスについてここで説明することは出来ないけどね。

ダンスロックというタグを外すことについて、ここ5年のDFAはすごく戦略的にうまくやっていますよね。

そうだね。そんなに長い時間かかったことはちょっと奇妙だけどね。たしかにそういうダンスロック的なレッテルからは離れたいと思っていたね。まあそれを受容することもできたんだけど、その一方では「おい待てよ、俺等が最初にリリースしたレコードはBlack Diceの『Beaches & Canyons』だったんだぜ?」とか考えたりね。まあいまじゃ済んだ話とはいえ、たしかに苦労はしたよね。

2000年ごろ、ニューヨークであなたはどんなことをやってたんですか?

Empire Entertainmentっていうイベントプロデュース会社で働いてて、富裕層向けの企業イベントを企画してた。僕はタレントを引っ張ってくるバイヤーだったんだ。化学会社や製薬会社向けのね。当時はポスト・テック・ブームだったしね。そこでは8年間働いた。1994年にニューヨーク大学を卒業してからずっとね。Jamesとは大学時代の親友を通して出会ったんだ。

Passerby Barってことで初めて会って、Jamesが「これからレコードを取りにウチへ戻るから、付いてきなよ。Plant BarってとこでDJやるから聴きにおいで」って言うんだ。たしか2001年の春だったかな。で、Jamesが"House of Jealous Lovers"やJuan MacLeanの "By the Time I Get to Venus"を聴かせてくれてさ。それがすべての始まりだったな。でも当時すでに"House of Jealous Lovers"はすでに完成されてて、もう1ヴァージョンのミックスがあったぐらい。結局最初のミックスのヴァージョンがDFAの12インチとしてリリースされたってわけ。

僕にとっては間違いようがない。サウンド自体は荒削りだったけど、これをはじめて聴いたとき全てを変えられると思ったんだ。その時点では僕は一介の音楽ファンでしかなかったけど、思いはどんどん膨らんでいった。で、Jamesにもう一度連絡してPlant Barへ彼のDJを聴きに行ったんだ。そのときすでにある考えが僕の頭の中にはあったね。当時のアマチュアなDJシーンについては知っていたし、それなりにまとまりのあるシーンだとは思っていたけど、同時に何かが足りないという感じもあった。デカいクラブに飽きてる人たちのためのシーンって感じだったね。

Centro-FlyはSound Factoryを過激にしたような感じだった。明らかに僕の好みじゃなかったよ。Limelightもね。僕が知らなかった部分も結構あるとは思うんだけど、Jamesたちのシーンはまさに自分が探し求めていたものだって感じたんだ。

Arleneの食料品店のちょうど裏手のとこで、Vice Magazineが落っこちてたんだ。当時Vice Magazineはラファイエット通りにショップを出してて、僕が当時働いてたオフィスとも近くてね。毎回新しい号が出るたびに買いにいってた。こういうタイプの雑誌はそれまで読んだこと無かったんだけど、猥雑で僕が好きだったすべてのサブカルチャーとメインストリームカルチャーの両方が載ってたんだ。すごく良質なジャーナリズムだったと思うよ。ふざけた感じもあったしね。他の人にも読み回しをすすめて、みんな隅から隅まで読んでたよ。ある号のVice Magazineを開くと、「なんてこった、僕らのシーンのことが載ってるじゃないか」ってことになって、Plant Barに行くとSuroosh Alvi(Vice Magazine創始者のひとり)と出会って、そこですべてが繋がりつつあることを実感した。いろんな人に紹介してもらったね。そこからはあっという間だった。2001年の7月か8月にはもう前の仕事を辞めて、9月1日にはDFAを立ち上げた。それ以来事務所はずっとここだよ。もともとはJamesがここに住んでたんだけどね。



「正直に言うと、リミックス仕事に対しては
いまほとんどクリエイティブなプロセスは感じられないんだ」




DFA Compilation #2はレーベルにとっても最初に世に知られるチャンスになりましたし、一時のブームではないことを証明しましたね。このコンピをリリースしたことでレーベル自身もやりたい方向性が定まったという感じでしょうか?

そう見えたかもしれないね。ある意味、あのコンピレーションはすべてをひっくるめてパッケージして人々に提示したものって感じだったからね。すべてに文脈があって、過去3年の音源がすべて順序立てて聴けるようになってるんだ。Pixeltanのトラックの次にDelia & Gavinのトラックがきたりってとこはまさにそう。コンピに参加しているアーティストこそ今みたいに多くはないけど、Compilation #3をリリースするときには2枚組にしようってアイデアもある。なぜなら詰め込みたいマテリアルがうちにはいま山ほどあるからさ。2枚組でリリースできたら良いんだけどね。さながら夢にうなされてるってとこさ。

その点、Compilation #2は楽だったかな。というのも、それほど選ぶべき対象のマテリアルが多くはなかったからね。今明かすとCompilation #1にはいくつかのミスがあるんだけど、あのコンピに関しては"House of Jealous Lovers"や"Losing My Edge"をより多くの人々に聴かせるって目的が果たせたし、それは良かったと思ってるけどね。

あまり「これが俺たちだ」みたいな誇示は無いよね。Compilation #2に猜疑的だった人たちに対するアンサーって意味ではね。まあ結局俺たちらしさは放っておいてもにじみ出るもんだし。いくつかのレビューを読んでみて「あれだけ頑張って簡潔にコンピをまとめたのに、どうしてこんな解釈になるんだよ」って思うこともあるけど。レーベルコンピを出すってこと自体はほんとありふれたことだからね。それだけに、ちゃんとやりたいってところはあるよ。その時、その時代のレーベルの在り方をちゃんと反映させたものにね。

そのコンピは私が個人的にも好きなBlack Leotard Front "Casual Friday"でスタートするわけですが、これを1曲目に持ってこようと言うアイデアはどこから?

Delia and Gavinからのアイデアだね。Tim Goldsworthyが手掛けた作品だ。僕はJamesにやってもらおうと思ってたんだけど、それはうまくいかなかった。Timはドラム・プログラミングを沢山こなしてるよね。Jamesもたしかに参加しているけど、Timが毎日何かを付け加えていくかたちになってね。TimはGavinとすごく仲が良いんだ。で、Gavinがアート界から彼の知り合いを何人か引き込んできたってわけ。Christian Holstadtもこの曲に参加してる一人で、これはクレジットにも載ってるかな。で、Daniel Schmidtって人はベルリンでギャラリーをやってる。

12インチにしては1ヶ月以上、もしくはそれ以上の時間がかかったね。でもすべて僕らのスタジオでやった。このスタジオから出せるパーフェクトなトラックのひとつだよ。ま、「やったぜ!」って感じではないけどね。どっちかって言うと「おい、新作を作ってるんだ。ディスコドラム入りのGavinの新作さ」「OK、いいよ。時間を上手く使ってやろうぜ」って感じかな。

当時、レコーディング・アーティストとしてのDelia and Gavinのキャリアはもともとの本流のアーティストとしての副業的な意味合いだった。3番街のDaniel Reich Galleryのアーティストでもあったし、Black DiceのBjornもそうだし、Christian Holstadtもそういうブルックリンのアートシーンの人間だった。Delia and Gavinは当時は実際に付き合ってるカップルで、一緒にアート作品を作ってた。ダンスパフォーマンスも沢山こなしてて、"Casual Friday"はもともと彼らのダンスパフォーマンス用に作られた曲だったんだ。Black Leotard Frontではレオタードを着てる。Delia and Gavin は芝生の上に止めた実際のクルマの上でバレエをやったりしてた。白のスパンデックスを使って、ドアやら何やらを全て縫い付けてでっかいオモチャのリムジンを作ったりね。これは12フィートくらいの長さがあったんじゃないかな。"Casual Friday"にしろ、結果的には彼らのアート作品のひとつなのさ。




A collaboration between Black Leotard Front and TEKO; Socle du Monde 2004.



関わっている人たちについて聞いていると、ポストパンクやノー・ウェーブ時代の'80年代初期のニューヨークを連想してしまうのですが、単なる偶然でしょうか?

うーん、全然違うと思うよ。たしかに僕が音楽以外で興味を持っているのはファインアートや映画だけどね。僕はニューヨークの映画学校に通ってたし、最初に就いた仕事も映画関係だった。でもまあやっぱり一番好きなのは音楽で、インディーやダンスミュージックのファンだった。6歳年上だった兄貴が僕にアシッドハウスのレコードをくれたりね。88年だったかな。当時僕らはクリーブランドに住んでて、その後86年にシカゴに引っ越したんだ。Wax Trax! Recordsがあった頃だね。いい時代だったと思うよ。Marshall Jeffersonも現役だったしね。

さっきも話したけど、メジャー・レーベルのダンスブームってのがあったよね。ウチにも88年から92年までのCDが40枚ばかり山積みになってるよ。GavinにもこのCDを聴かせてみたんだ。彼はいまCrystal Arkをやってるところだからね。こういうメジャーレーベルがダンスアルバムをリリースしていた時代についていろいろ議論してたんだ。Hercules and Love Affairとも似たような話をしたと思う。レコードを売り出すためにはアーティストの内面を知らなきゃいけないと思ってるし、他の沢山のアーティストたちともそういう話はするよ。Andy ButlerやGavinとは「Todd Terryのアルバム『To the Batmobile, Let's Go』は聴いたことある?Masters At Workのアルバムは?」って感じで話を始めるんだ。ちなみに、両方とも91年にリリースされた作品だね。

シングルをリリースするときも同じさ。でもアルバムを作るときは「このままいくとこうなる」ってのがだいたい分かったりするからね。その作品に没入していくとで成立するタイプのアーティストもいるし、そこには話し合いの余地があるよね。Herculeみたいなアーティストでさえね。彼は同時に複数の曲をレコーディングするんだけど、どれもすごくよく出来てると思うよ。たまにスローな曲を作ったりして悩んだりしてるアーティストもいるけど、僕は「この時点で言っとくけど、これは素晴らしい曲だ」って言ったりする。アーティストは他者の意見を必要としてるんだ。他の誰かが注意を払ってくれてるっていう実感がね。おしゃべりが嫌いなアーティストはいないと思うよ。基本的に彼らは超ナルシスティックな人種なんだ。彼ら自身とそのナルシズムを結びつけて拡大すると、彼らが歴史的にどういうものを基準とし参照しているかが分かるはずだよ。

Gavinは「Crystal Arkはコンビネーションになる」って言って、いろんなタイプのコンビネーションを挙げていくんだ。で、僕が「Duck Rockは聴いたことある?Malcolm McLarenがニューヨークに旅行していろんな場所で出会ったものをくっつけて組み合わせたんだ。いいアルバムだけど、'Buffalo Gals'は特に素晴らしい組み合わせだと思う。意識的になりすぎずにこういう作品を作るにはどうしたらいいと思う?」ってね。これはトリックなんだ。 バンドのレコードを聴くとうんざりしちゃうからね。それを考えながら、自分自身のレコードを作るにはどうしたらいいかってことさ。



「Carl Craigに意見を返した。
すごい体験だったよ。」




リミックスにはどういった人々を選ぶのでしょう?

正直に言うと、リミックス仕事に対してはいまほとんどクリエイティブなプロセスは感じられないんだ。リミックスのアイデアと結果についてはここ10年知り尽くしてきたと思うし、デジタル全盛のこの時代ではあまりにも沢山のリミックスがあふれているし、そのなかでアピールするのも大変だしね。少し罪深くもあるよ。iTunes Storeに行けば9つぐらいのリミックスがすぐに見つかっちゃうだろ。

いまのキッズはその点に関しては限りなく純粋主義者的かもしれませんね。1つの曲に1つ以上のリミックスが存在すれば、それはクソだと。

そういうのは好きだけどね。今じゃみんながリミキサーだろ。でも、ほんとうに中味があるものって限りなく少ない―このウェブサイト用にフリーのリミックスが必要、こっちの雑誌の付録につくフリーCDにはさらにエクスクルーシヴなコンテンツが必要、ダブステップ・ヴァージョンのリミックスを作らなきゃ、それから次は・・・って感じですべてがトゥーマッチ。いったい誰に対して媚売ってるんだ?

それでも、リミックスはレーベルのイメージを確立するのに役立つという側面もありますよね。DFAにも2006年にDelia and Gavin "Relevee"のCarl Craigリミックスというヒットがありました。

これに関してはちょっと可笑しな話があってさ。当時僕らのレーベルに懐疑的な人たちがいたんだ。そういう人たちを見返してやろうって思いもあって、思い切ってCarl Craigにリミックスを依頼しようとしたんだけど、多額のギャラが必要だったし僕らにとっても大きな賭けだった。彼から最初の仮ヴァージョンが送られてきた時の興奮はまだ憶えてるよ。彼は意見を求めてきたから、僕も彼に意見を返した。すごい体験だったよ。彼は結局2ヴァージョンのリミックスを送ってくれて、生のピアノも入ってたよ。

Carl Craigに関して言うと、彼がChris & Coseyのファンだっていう事は知ってたから、それになぞらえてDelia & Gavinのことを説明する事が出来た。彼はDelia & Gavinの曲を聴いてすぐに「これは俺にぴったりの曲だ」と思ったらしくてね。彼はちょうどそのときフルアルバムで従来と全く違う音楽にトライしているところだったからなおさらだったのかも知れないね。Hercules and Love Affairの"Blind"のリミックスを依頼したFrankie Knucklesに関してもこれは大きな賭けだった。あまり彼がやらないであろうタイプの曲だったしね。彼はメジャーでも沢山リミックスを手掛けてきてただろ。彼がメジャーで手掛けてきたJanet Jacksonのリミックスとはまったく切り離してオファーする事が肝心だった。たとえ僕がJanet JacksonとFrankie Knuckles両方のファンだったとしてもね。インディー・レフトフィールドのディスコレコードを彼みたいな人にリミックスしてもらおうなんて誰も考えつかなかったことだからね。結果は知っての通り、素晴らしいリミックスになったよ。

Translation / Kohei Terazono
Published / Friday, 23 September 2011

Photo credits /
Header - Daniel Boud
Black Leotard Front Performance - Anders Berg


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