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Joe Claussell: A spiritual thing
The Body and Soulの男ことJoe Claussellが自身のエゴ、アートそしてコラボレーションについて熱く語る。
Joe Claussellと彼のレーベルSpiritual Life Musicがイギリスのシーンで注目の的になったのはあまりにも一瞬の事で、 瞬きなどしたら見逃してしまうくらいだった。 1999年のJocky Slut誌はSlam, Terry Farley そして DJ FoodによるJoe Claussellの話で一杯だったぐらいだ。しかし、Orde Meikleが言った言葉は、彼の本質全てを物語っている。「Joeは自分で溝を作る男だ」。
渦中の男になることを嫌うClaussellは、インタビューごとに、DJ、プロデューサーになどなりたいと思った事はないと主張する。Francoise K、そして後にはJerome Sydenhamに誘われ、Claussellは肉体と精神に訴えかけるようなエレクトロニックミュージックという、他にはないブランドを作り上げた。最近では、Faniaの60, 70年代のサルサアルバムクラシック名盤復刻版をリミックス、そしてBody and Soulとして Stop Making Sense festival に出演する彼に、今回RAのTodd L.Burnsが迫る。
最近のFaniaと行われたプロジェクトについて、Faniaはあなたにとって昔から関わりの深いという意味でもとても感動しました。
とりわけFania、サルサ、アフリカンミュージックは、僕の気分を高めてくれる音楽だね。
あと、ロックの影響が大きいとも以前言っていましたね。
一番下の弟Larryが、ラテンロックのドラマーなんだ。Zeppelin, Grand Funk Railroad, Bleack Sabbath, Jimi Hendrixみたいなアーティストを僕に紹介してくれた。フォークミュージックやポップミュージックの中にもお気に入りはあるよ。けど、Larryの存在が大きいんだ。 Ludwigのドラムセットが家にあったこともあって、彼のバンドのリハーサルをよく実家の地下で行っていったんだ。毎日しきりに色んな音に囲まれていて、とにかく興奮の毎日だったよ。
当時、ニューヨークでプエルトリコ人として育った事についてのエピソードを教えてください。
おもしろいことに、プエルトリコ人として育ったわけじゃないんだ。むしろブルックリンのPark Slopeという、様々なカルチャーがミックスした場所で育ったっていう意識のほうが高いよ。あんな色々な人種や文が存在する場所で育ったのも凄くラッキーだったよ。小さい頃から色々な文化に触れることもできたし、何よりも幼い頃から自分らしくあるという大切さを学んだんだ。人種の違いではなく、個人個人がそれぞれ違うということを教えてくれた場所。もちろん僕のルーツがプエルトリコにある事は知っていたけれど、僕は僕という事を分かっていたんだ。
そういった背景は、あなたがエレクトロニックミュージックに興味を持ったりダンスパーティーへ行き始めた事に対しても共通して言えますよね。David MancusoとLarry Levanからの影響が強いともおっしゃっていました。遊びに来るお客さんも十人十色だったんでしょうね。
そうだね。お気に入りのDJも沢山いる。正直に言ってしまうと、多く影響を受けた人っていうのは、なかなかいないんだ。僕に色々な影響を与えてくれたDJ達は、結局地元の兄貴分の人達だったね。Larry Levanは、DJという観点では影響を与えてくれた一人だけど、別にParadise Garageによく行くこともなかったよ。クラブに行くとなったら、例えば土曜の夜、まずParadise Garageに行って、それから The Mudd Clubに向かう。色々な音を肌で感じたいからだよ。それ以外何も気にしちゃぁいなかったんだ。
私が思うに、あなたとLarryの共通点は、予想もしないような曲を持って来ることです。あなたたち二人はとてもオープンな耳を持っている。
Larryは本当にそうだね。彼みたいなプレイをする人は見た事がないよ。僕にとって、彼はユニークな存在だったんだ。彼は自分を思いっきり表現して、かけたいものをかけていたよ。音楽的に見ても、彼は世界的に有名な人だからね。Larryが当時、様々な音楽をかけていた事と、他の今いるDJがプレイするその違いとは、今いるDJは、特定の曲や音楽ジャンルをあえて織り込まないんだ。それは好きだからっていう事よりも先攻しているよね。または、色々かけるDJだって称賛されるチャンスを狙ってって言えばいいのかな。
こういった事は、称賛されるためにやってみるんじゃなくて、自分がその時心から良いと思うからかけるものなんだ。今いるDJよりも、Larryの方がそういった感情が強いと思うよ。
現在、Larryのような存在が出て来るのは難しいと思いますか?
そうは全く思わないよ。僕は、音楽を一種の芸術としてみなしているわけ。残念ながら、ビジュアルでも何でもアートの世界では、作り手が自分の作品を受け入れてもらおうと考えてしまっては、真のアーティストとしての要素が失われていると思う。喜ばせるために作る。パフォーマンスしなければいけないと思った瞬間、自分の感じることを全て表現するのは本当に難しいんだ。多くの人を喜ばせないとっていう気持ちがあると、既に作られたフォーマットにくっつきがちになる。自身の中で作りあげられたものを表現した時に初めて、自分に正直な作品が出来上がると思うんだ。でも前にも言ったように、リリースっていう話になると、ダンスフロアーの事も心に留めておかないといけないけどね。でも、時間があれば、自分のしたい事だけをしているよ。
「色々な人と現場で仕事をするのが大好きなんだ。いくらかかるかなんて考えずにね。だから、大金持ちにはなれないんだろうな。」
とても興味深いコンセプトですね。「エゴを抑える」というお話ですが、バランスにも注意しないとエゴが突然爆発してしまいますよね。既に経験もあり、聴いている人を喜ばすコツもつかんでいるあなたですが、今はエゴが出てきてしまったから、あなたは音楽シーンから一歩後ろに足を引いているのでしょうか?
そうやって深く突っ込んでもらえて嬉しいよ。でも、エゴが原因で引いたんじゃないんだ。手を引いた理由は、僕がやっている事は脚光を浴びるためっていう目的ではなかったからなんだ。自分を誰とも比較したこともないし、自分の事を最高だと思ったこともない。注目の的にはなりたくないんだ。特にメディアに取り上げられたと思ったら瞬く間に消えていった人を何にも見ているし。幸運な事に、僕は自分が一体どういう人間で、なぜここにいるかきちんと理解している。誰かの好みに合うものを作ろうなんていうタイプではない。自分のスペースが必要なんだ。一歩後ろに下がる事は、こういったスペースを守ることでもあると思っているんだよ。
Jerome Sydenhamに昨年、あるエピソードを教えていただきました。はじめは金曜日の仕事が終わると、Dance Tracksでいつも知り合いのDJの為にプレイしていたという話でした。その事を知ったFrancois Kが、Larry Levanのトリビュートパーティーに参加するよう説得したという事も。あなたが初めて公にDJをされたのがその時だっていうのも。
君が言った通りだよ。リミキサーとしてのFrancois Kervokianは、僕のお気に入りのアーティストだよ。彼の手掛けた70、80年代もののリワーク作品は大好きだったから、彼が僕のお店の常連に成ってくれたのはとても光栄な事だった。それから一年くらいして、彼が新しいパーティーを始めるからメンバーとして加わってくれないかって話をしてくれたんだ。その段階ではただコンセプトしか話していなかったんだけどね。(後にBody and Soulとして知られることになったんだけど。)
前々から、彼からは色んな影響を受けていたんだ。だから、僕がパーティーに参加するだろうと思っていただろうけど、結局誘いを断ってしまったんだ。レコードショップを経営することで、DJのリアルな世界が見えてしまった。DJ達の中にはエゴ丸出しのやつもいて、とっても醜かったんだ。そんな人達を目の当たりにして「僕は本当にこんなやつらみたいになりたいのか?」って。ストアーで音楽をかけて、お客さんと話すだけで満足だったんだ。3ヶ月以上断りつづけたんだけどFrancoisは何度も何度も頼んできたんだよ。
あなたが初めて参加したプロジェクト、Instant Houseの復刻版を聴きました。なぜこの時期にリリースをされたんでしょうか?
音自体に存在感があるんだ。今日のプロデューサーの多くは、僕が好きとする曲全体をプロデュースするものとは反対に、ハウスミュージックを軸にドラムマシーン、キーボード、サンプルなどを使っったミニマルな作品が多い。けれど Instant Houseは、もっとコンピューターをベースにしたプロダクションなんだ。現在、ハウスミュージックは昔のような荒々しさを含んだものに向かっていると思う。それはInstant Houseのルーツでもあるんだ。簡単にアクセスできるようなプラグインの楽器やコンピューターを使ったものだね。
Faniaでのリリースでは、多くのライブミュージシャンと共演をされましたね。リリースまでのプロセスを教えていただけますか?
The Africa Caribe が形になるまでに2年もかかったよ。過去の作品の制作過程で余分に作られた曲が未だ残っていて幸運にも見つけたんだ。けど、当時のものは全てドキュメントとして保存されていなかったから、一番始めにした作業は色々なカタログを検索することだったよ。想像付くように、曲の一部分が抜けていたり、とか色々な不具合があったんだけどね。
嬉しい、思いもよらないアクシデントなんかはあったんですか?
そう。昔のレコーディングプロセスやミュージシャンシップの良い点は、一つのリール式テープに3曲録音することができる事だ。だから僕がリクエストした曲の他にも、おまけとして2つほど余分に曲が入っていたんだ。もちろん、みすぼらしい出来のもあったけど、中には驚くほど素晴らしいものあったり。だから、元々収録するはずだった曲ではないものもアルバムに追加したりなんて事もあったよ。
ミックスは、どのようなプロセスで作り上げたのですか?
このプロジェクトでの僕のアプローチは、まずは作品を作り上げた「マスター」たちに敬意を払い、曲が持っているソウル感を崩さないようにすることだった。リミックス作業も、アーティスト/プロデューサーが伝えたいことをねじ曲げないようにすることだったんだ。メッセージが曲の中で一番大切な事だと思っているからね。
だから自分の「オナニープレイ」は控えめに、オリジナルのコンセプトに正直に向き合ったんだ。そうしないと当初の目的も元も子もないだろう?もちろん、自分の伝えたいことも含めたりはしたけれど、オリジナルにちゃんと配慮していたんだ。それがこのプロジェクトで一番気をつけていたことさ。オリジナルマスタリングではなかったような、ダイナミックさをミックスに加えたよ。
Claussell's latest project: a sound installation in Amsterdam. 今秋には、本を出版されるそうですね。
そうなんだよ。舞台演出家のLidy Sixと一緒にやったプロジェクトで、アムステルダムの中央駅の下にある、未だオープンもしていない大きなトンネルに行ったんだ。プロジェクトの名前は、TREMBLING: Sensing Spaceだ。DJ活動だけでなく、アートの世界にもとても興味があって、何かを作る、あのプロセスが大好きなんだ。独創性という名の下で本当に色々な事ができる、アート、ビジュアルそして音楽が大好きだ。そして幸運な事に、何年もかけて作り上げた音楽が、僕に新しい出会いを与えてくれた。僕の身の回りで起きている事に、とても感謝しているんだ。
様々なコラボレーションに興味があるようですね。
もちろん。色んなアイディアやエネルギーをひとつにまとめる事がとても大切だと思っているんだ。特に他の人のビジョンに敬意を払えて、意見を平等に理解できるような人にとってはね。
ベストなアイディアが一番前に進むって信じているんだ。コラボレーションをして、もし誰かが僕よりもずっと良いアイディアを持っていたら、それに賛同するよ。最終的に結果が一番大切なんだ。
先ほども出た、「エゴを抑える」というアイディアに戻るようですね。
正直になろうじゃないか。エゴは、必ず誰しもが持っているものだ。けれど、結局僕は、色々な事を学びたいタチなんだ。学ぶには、自分をオープンにして他の人のアイディアや言っていることに耳を傾けないといけない。もし誰かが、自分のプロデュースしたものは全て自分のアイディアから来たなんて言ったら、そいつはただの無知野郎だね。僕のアイディアの大部分は、色々な人のアイディアを取り入れたものなんだ。世界はこうやって動いている。情報を吸収して、自分らしくアレンジして、新しいものを世界に発信するだろ?
今のダンスミュージック・シーンで、とりわけ興奮しているような点ってあります?
難しい質問だね。僕の感じている問題を取り上げないとこれには答えられないなぁ。正直に言うよ。今の音楽にはそれぞれの個性が感じられないんだ。殆どの人が昔と同じ事をやっていたり、他の人の作品を真似している。ダンスミュージックだけではないし、色々な事に言えるんだけれど、プロデューサー達は与える事を考えずに、ただ搾取しているからなんだと思う。彼らはただ単に、「アーティスト」ではないからかもしれない。独創的なものを世界に与えるっていう行為よりも、大切なものが彼らにはあるのかもしれない。良かろうが悪かろうが、既存のものを真似したほうが、オリジナルのものを作るよりもずっと簡単なのかもしれないね。
他の人の真似をしないアーティストになるまでに時間はかかりましたか?アーティストとしての活動をしはじめた人にとって、色々な人の真似をするのは自然な事だと思うんです。自分のスタイルを見つけるまで時間がかかってしまうものですし。
ミュージックシーンには、あまり気を留めていなかったんだ。シーンを考えてしまうと、自分の考えが変に固定されてしまうからね。ただ自然と音楽との関わりを持っただけで、DJやらプロデューサーになりたいなんていう考えはなかった。友達が「Joe、お前これやってみろよ」って言ってきたのが全てのキッカケだったんだ。だから、誰かのコピーをしたくないっていう気持ちが強かったのかもしれないね。さっきも言ったけど、僕の一番初めてのプロダクションは Instant Houseに誘われた時のもので、とにかくサンプリングに特化したものだった。僕の友達のStanとTonyと一緒に、ただ面白いからっていう理由でサンプリングをしていたんだ。これを「真似」というのか分からないけれど、僕の一番最初のプロダクションは、他の人の音楽を直接サンプリングしたものだね。でも、理解してもらいたいのは、これはただ面白いからやっただけなんだ。別に、有名になりたいとかっていう気持ちでやったわけじゃないんだ。
最近でもサンプリングはよくされるんですか?
よくするけど、自分の音ばかりをサンプリングしているよ。他の人の音を撮ったりはしないんだ。
それは意図的にですか?
そうだね。自分で出来るのに、何故他の人の音楽を取らないといけないんだ?サンプリングをすることは、何か新しいアイディアに行き着く挑戦でもあるんだ。ラッキーな事に、僕の生まれ育った場所はライブミュージシャンたちの繋がりが重要なところだったんだ。そう、お金はかかるんだけど、一番僕が夢中になれることさ。僕はコンピューターに重きをおいたプロデューサーではないんだ。むしろ、色々な人と働くのが好きだね。お金のことは気にしないから、大金持ちにもなれないけどね。
費用についてお話されていましたが、ソフトウェアーが進化し、ライブレコーディングを行うのは以前に増して金銭的に高くなってきました。以前はスタジオを借りた方が安かったと思うのですが。それとも私の言っていることは、間違っているのでしょうか。
いや、君の言っていることは色々な意味で正しいと思うよ。音楽を作るには2つの方法があって、多くの人はコンピューターをベースに作業をしているんだ。だから多くの作品が何かつまらないものになってしまっているんだと思うよ。尊敬しているプロデューサーは沢山いるけれど、もっと才能のある人が沢山いるんだ。一方で、僕のようにスタジオを軸に作業をする人もいる。もちろん、お金もかかる。最近では、そんな事にお金をかける人は本当に少ないんだ。だけど、もし、タイムレスな作品を作りたいって思うんだったら、投資をすべきだと思う。自分の持っているお金のほとんどをスタジオに費やすことも多いしね。それが僕の夢中になっている事で、もうドラッグに近いよね。ドラッグを買いに行くような人の感覚に似ているんだと思うよ。スタジオに行って時間を買う、ミュージシャンにお金を払う、リリースに至るまでのプロセスにお金を全て使うんだ。スマートなやり方かと聞かれれば、答えは「NO」だろうね。だけど、しょうがない、僕は夢中なんだよ。
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Translation / Yukari Takanose
Published / Friday, 29 July 2011
Photo credits /
Header - Kyle Johnson
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