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Machine love: Studio Barnhus
Machine love: Studio Barnhus

Axel Boman, Kornél Kovács そして Petter のいるストックホルムのスタジオに潜入。

Studio Barnhusは、Axel Boman, Kornél Kovács そしてPetterから構成されたグループ。レコードレーベルでもあり、3人がDJとして集った時の名前でもあるが、元々これはストックホルムにある彼らのホームスタジオの名前だった。ここ数年を通して、レーベルはスウェーデンでのハウスミュージックを引率する存在へと確立していった。RAのTodd L.Burnsは、Studio Barnhusが彼らの笑い、そして憩いの場であるだけでなく、彼らが真剣にプロデュースに励む場所でもある事を発見することになった。







機材に対して、あまりこだわりを持っていないようですね。つまり、「この機材じゃなきゃダメだ」とかっていう。それともただ単に、あなた達からは何事にも真剣に取り組むという印象を受けないっていうだけかもしれないですか。

Axel Boman: 僕たちは、機材に対する興味は持っているよ。けど、僕の意見だけど、スウェーデンのヨーテボリに移り始めた時、全てをコンパクトにすることが習慣になったんだ。ノートパソコンだけでの生活だったんだけど、徐々にサウンドカードだけでも音が凄く良くなることも分かり始めた。それでアートスクールに通っている時に、自然と色々な機材を持たなくてもいいんだっていう気持ちになってきたんだ。Abletonは僕にとってとても新鮮なもので、みんな「クソくらいだ!機材なんていらねーよ」ってなっていたんだけど、僕自身、機材を使う事はとても面白いし、機材だけが持つ利点もあるからね。

あなたも機材に対しての考えは同じですか?

Petter: ちょっと違うね。もの凄く若い頃に、僕は音楽を作りはじめたんだ。でもシンセやらを買うお金も無かったし、その当時みんな機材を使わなくなっていたんだよね。代わりにVST(ビジュアル・スタジオ・テクノロジー)なんかを使っていたんだ。でも最近では、再びみんなが機材を使い始めるようになってる。機材をいじくって遊ぶのは確かに楽しいんだけど、僕自身はお金を他のことに費やしたいタイプなんだ。機材は滅多に買わないし、シンセサイザーも2, 3個もってるくらいだよ。

Kornél Kovács: 3人の中で、一番機材を持っているのはPetterだけどね。

Petter: まぁでも、沢山ではないよね。
スタジオの中には、どんなものがあるんですか?「〜専用シンセ」っていうものはあるんですか?

Kornél Kovácsいや、ここにあるものは、みんなで使っているんだ。各自でノートパソコンやサウンドカードは持っているよ。長方形の長いテーブルに3人並んで作業をしているんだ。ちょっとおかしいかもしれないけれど、壁に向かって作業をしている。前は3人もいるのにスピーカーは一台しかなくて、ミキサーを通してみんなが繋がっていたんだ。だから自分が曲を流したいときに、他の人が使っているから流せないなんてことも頻繁にあった。長い間モノのスピーカー一台で過ごしていたってわけ。でも今では、それぞれモニターも設置して、問題は解決したよ。3人とも使っているのは、Juno 106のシンセサイザーだね。







なぜ106を購入しようと思ったんですか?

Petter: 単純に良いシンセサイザーだからかな。

Kornél Kovács: バルセロナで開催されたRed Bull Music Academyの時に初めて触ったんだけど、とにかく使いやすかったんだ。

Axel Boman: 僕が初めて買った機材はYamaha RMX1のgroove boxだよ。Legoweltをこの前見た時に彼も使っていたね。「この機材はやばい」って思ったね。あとYamahaのA2000サンプラーも。昔はサンプリングしたものをフロッピーディクに保存していたなぁ。

どのようなものをサンプリングしていたんですか?

Axel Boman: 僕の兄貴や父親のレコードコレクションとか、オールドソウルやロック系のものをサンプリングしていたよ。知り合いでもある地元で有名なヒップホップDJたちのサンプリングの仕方とかも真似していたけどね。

Kornél Kovács: スタジオにはオモチャなんかもあるんだ。僕の私物で、子供の時に父親から貰った、Casioから発売されていた子供の為に作られたキーボードなんかもそうだね。まだ販売されているか分からないんだけれど、コンディションは良いとは言えないよ。ちなみにそのシンセの音は全てサンプリングしたんだ。懐かしさもあって、リリースしたものほぼ全てに使われているね。ワンショットだったり、ループだったり、形はそれぞれ異なるけど。

Axel Boman: 僕たちが使用しているもので重要な機材と言えば、FostexのPortastudioっていう古い録音カセットだよ。これを使うことで音質がとても温かくて良いものになるんだ。曲全てをカセットに入れることもあるし、ドラムパートだけをレコーディングして機材に入れて、何かを上に付け加えたりもする。そうすると予測もできないような曲になったりして面白いんだよね。

この場所はどうやって見つけたんですか?

Kornél Kovács: 新しいスタジオを探していたんだよね。前のスタジオは、とにかく、オフィス街にあって大きな音を出せなかったし、そこの地域で音楽をやっているのは僕だけだったんだ。同じような事をやっている仲間も欲しかったしね。持っていないケーブルを誰かから借りるとかそういう環境に移りたかったんだ。ある晩、パーティーの後に友達をアパートに呼んだんだ。そこに来てくれた友達の一人がTシャツの会社を経営していて、倉庫の一部が空いてることを教えてくれた。それでここに移ったんだ。3人がどうやって最終的にここに集まったのか、事細かには覚えてはいないんだけれど、とにかく自然にこうなったんだ。レーベルやDJを一緒に行うことも、べつに元々計画していた事でもないしね。ただスタジオの下に、最近こう爆発音みたいな衝撃が来たりするんだよ。それが唯一の不満点かな。

Axel Boman: 地下に新しいトンネルを開発中で、それがちょうどスタジオの真下なんだよ。本当に最悪だ。

Kornél Kovács: 結構深刻な問題で、2016年まで工事が続くみたいなんだ。ちょっと場所を移してくれればいいんだけどね。それを除けばこの場所は最高さ。まるで、音楽スタジオの為に作られた場所って言う感じだよ。苦情も来ないし、街の中心にある地下のスタジオだ。



"元々あったプリセットは使わないよ。だって自分らしい、自分だけのものを見つけたいからね。" -- Axel Boman




曲のアイディアを形にするのに何を使っていますか?

Kornél Kovács: Abletonをよく使っているよ。

Petter: あとは、PreSonousから発売されているStudio Oneっていう新しいプログラムも使っているよ。CubaseとAbletonの中間って感じかな。Abletonのシンプルなスタイルと、Cubaseの複雑なスタイルがうまく混ざり合わさった印象だね。

どのくらいStudio Oneを使っていらっしゃるのですか?

Petter:一年くらいかな。いつも使っているわけじゃない、本当時々ね。あれだけで一曲を完成させたことはないよ。以前はCubase、今ではAbleton Liveを使ってる。

なぜ、Abletonに切り替えたんですか?

Petter: 何でだろう。ライブセットはAbleton Liveを使用していたんだ。その時にCubaseを使うよりもLiveを使うほうが早い箇所も見えてきたんだ。そこから、徐々に今の形に行き着いたんだと思うよ。Cubaseで作ったものとAbletonでのものだと、音が全く違うだろ?

Kornél Kovács: それはあるね。

Petter: 前みたいにCubaseだけで作業をしようとした事もあったんだけど、音がクラッシュしまくるし、とにかく忍耐力がないんだ。

Kornél Kovács: 子供の時に使ったEnergy Dance Maker以外に、Ableton以外のものは使ったことがないんだ。自分のノートパソコンにもAbletonが入っているんだけど、お試し版しか持ってないから出来た作品を保存できないし、ちょっとイライラするね。

やり直しがきかないハードウェアーで作業をしているっていう感じですね。

Kornél Kovács: そうそう。良いものが出来ても自動的に消去されちゃうから、なんか悲しいよね。だからパソコンを何週間も開けておいて、「よし、ライセンスを取ってなんとかしないとなっ」ってなるんだ。

あなた達のインタビュー記事を見ました。そこで、 典型的なアレンジメントやミックス に対するの密かな反抗心について触れられていましたが、それについてもう少し詳しく教えていただけますか?


Kornél Kovács: 始めから終わりまで聴けるようなものを作ることは良い事だね。スキルのあるDJなら本人がしたいような事をする、つまり、パソコンの機能を生かした曲の編集作業さ。DJたちの為の長いイントロとアウトローの何かを作る、それは必ずしもリスナーにとって良いものとは限らない。ダンスミュージックを聴くのは大好きさ。ハードなダンスミュージックもね。ただ聴く歓びだよ。僕は家で、ただぶっ飛ぶような、メロウな曲を聴くようなタイプではないんだ。曲の始めの2分間はドラムの音だけが鳴り響く、そんな曲も聴くよ。

Axel Boman: Hivern Discsのリミックスをやった時もそんなようなのだったね。曲のクライマックスをためにためて、何かが起きるんじゃないかっていう期待を裏切って、結局なにも起こらないままに曲が終わるっていうものを作ったこともあるよ。

Petter: 曲を作っている時、クラブの事なんて考えないんだ。

Axel Boman: 昔の話だけど、レコードを買って、曲の最初のアレンジメントが複雑なせいでミックスがしずらいものがあったけど、そんな曲が大好きだったな。






Petter、あなたの作業は早いんでしょうか?同じインタビュー記事で、あなたは“Some Polphony”のベースラインを2分で完成させたと言っていました。

Petter: 曲によるよ。あのベースラインは複雑なものでもなかったしね。GMedia MusicのOddityシンセから取っていて、あれはArp Odysseyを基に作られた素晴らしいモノ・シンセサイザーだ。僕が今まで使ったVSTシンセの中で一番のもので、今も使っているよ。ベースラインとドラムパーツを作った後、放ったらかしにしていたんだ。James Holdenに見せた時に、曲を完成するべきだというアドバイスも貰ってあの形に至ったんだ。ベースラインが完成してから、一年、一年半後だったと思うよ。

それ以来、自身の音が180度変わったと思いますか?

Petter: ああいったサウンドを今まで使ったことがなかったんだ。あれ以来、ああいったサウンドは作っていないんだけどね。

Axel Boman: Petterがダンスホールビートを作っているのが聴こえたんだ。作業中の彼を見ると、何を作っているのか気になったりするよ。作業しながら「あぁ、あぁ、」なんて言ったりしていて、「一体こいつは何を作ってるんだ?」ってね。

声を出しているんですか?

Axel Boman: そうそう。「何を作ってるんだよ、聴かせてよ」って。で、Petterの作った曲を聴いてみると、とっても変だけど、美しい曲に仕上がってるんだ。

Kornél Kovács: Petterの曲には彼らしい要素が必ずあるんだ。それがジャマイカのダンスホール系の曲でもね。もしかしたら、彼の曲を毎日のように聴いているからかもしれないけれど、曲の中にある些細な部分や、エディットの仕方とかね。

Axel Boman: あぁ、彼にはそういったサウンドがある。ハウスミュージックを作っているわけではないのに、どこかしらハウスの要素が入っているんだ。僕には到底まねできない事さ。彼はむしろ、ワールドミュージックを作っているんだろうね。スウェーデンを代表するワールドミュージック・プロデューサーだ

Petter: ハウスミュージックはあまり上手く作れないんだ。

最近お気に入りの機材はありますか?

Kornél Kovács: Junoはいつも使っているわけではないけれど、みんなが使っている機材の一つだね。

Axel Boman: 僕にとって一番大切なものは、良質なサウンドカードと、パソコンからの音源を流す大きなミキサーだね。この2つがあるから、色々な音を加えたり抜いたりする作業が簡単になっているし、ライブ演奏や録音もしやすくなったよ。







ライブの録音は、よくされるんですか?

Axel Boman: 僕の作っている曲全てに、ライブ録音されたものが入っているよ。“Purple Drank”でのドラムの音なんかもそうだ。
作業中に出来上がったドラム音を基盤に作り上げたんだ。今気づいたけど、僕の曲は必ず録音されたものを基礎にして出来上がっているね。なにかしら、ライブのエレメントを入れたいんだと思う。

Petter: Axelとは違って僕は録音するのが苦手なんだ。色々修正したり、手を加える作業が好きだからかもしれないね。一曲丸々録音するのは苦手だね。

Kornél Kovács: ジャミング以外にも、自分の曲を予想も出来ないような形にする方法があると思っているよ。僕の場合、マウスとキーボードを使って、MIDIノートやクリップを取ったり変えたり、曲を聴かないでとにかくランダムにやるんだ。ラッキーか否かが、良い音楽を作る重要な要素だと考えている。

僕の作品“Baby Step”では一番始めに昔から大好きだったオールドガレージ系のレコードをサンプリングしたんだ。で、ラッキーな事に、これにぴったり合うものが見つかって出来上がったんだ。

サンプリングは頻繁にされるんですが?どんなジャンルのものを?

Kornél Kovács: 僕がサンプリングするものは、子供の時に良く聴いていたものとかかな。他の人達と一緒だよ。昔のヒップホップ・プロデューサーたちが子供の時に歌い、踊っていた曲をサンプリングするのと同じようにね。僕がサンプルするのは、ソウルやファンクではなく、むしろ90年代のダンスミュージックかな。あとは、既にサンプリングされたものをサンプリングすることも多いよ。

サンプリングしたネタがバレたら嫌だなぁという気持ちは持っていますか?


Kornél Kovács: いや、それはないね。クリエイティブな人たちの事はもちろん尊敬しているけれど、僕は別にスクラッチをして素晴らしい音楽を作る人になりたいとは思っていないからね。

Petter: 以前は、あまりサンプリングをしなかったんだ。でもAbleton Liveを使い始めてからはしているよ。

Kornél Kovács: そうだね。Abletonを使うと、サンプリングも簡単だしね。

Petter: 去年くらいから、僕もサンプリングを曲作りに取り入れているよ。サンプルをドラグインするだけだし。時に複雑なものにもなるしね。

Axel Boman: 僕の場合サンプリングを、プリセットとして捉えているよ。元々あるプリセットは使わないよ。だって自分らしい、自分だけのものを見つけたいからね。目の前にあるものをただ使うのではなく、少しそれに手を加えるんだ。サンプリングも、「ネタは一体何なんだ?」とか考えさせるようなものにしている。“Holy Love”を出した時に、誰かがFacebook上で僕がサンプリングしたものを全てポストしていて、とても嫌だったよ。「マジックを見破って、見せびらかすなよ!」って感じだったね。





Translation / Yukari Takanose
Published / Monday, 18 July 2011

Photo credits /
Hedvig Jenning


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