当時仲の良かったErasmo Riveraがサウンドエンジニアの学校にいて、エディットやカッティングを学んでいたんだ。毎週土曜日の夜、The Warehouse(出来たばかりの頃)で僕は彼のためにレコードを沢山あげたんだ。エディット作業をして授業で提出するためにね。彼にあげた一枚の中に Howard Johnsonの「So Fine」があって、彼は素晴らしいエディットをしてくれたんだ。その一曲をかけたらフロアー中のお客さんがもう一度かけて欲しいと言ったほどだよ。
レコードを渡す度に、彼の腕は益々上がっていった。それが僕にインスピレーションを与えてもくれたんだ。そして僕は家でテープを切り始めたんだ。パイオニアから当時発売されていたオープンリール式テープを背に、ワックスペンシルとスプライシングブロックを使ってね。ターンテーブルの隣に座り込んで、切れるものは全て切った。それからErasmoと僕は The Warehouseではお決まりの一曲だった"Let No Man Put Asunder"のリエディットに取り組んだんだ。僕たちが曲に新しい生命を吹き込んだ、思い出の一曲だ。ニューヨークの Salsoul Recordsからエディットをリリースしたいという話も貰ったんだ。更に僕に一曲全てをリミックスしてほしいとの依頼も舞い込んできた。僕たちのオリジナルエディットは、結局出なかったけれどね。自分だけのものにしたかったから。"Let No Man Put Asunder"は僕がプロとして行った初めてのリミックスなんだ。
Jamieが曲を書くと、一曲のアイディアが本一冊分の量になってしまうくらいなんだ。何枚ものページに歌詞がぎっしり書かれている。自問自答のようなもの、その間に曲のメインにもなるものがあったり、あのメモ帳は彼の考えでいっぱいだった。一見支離滅裂に見えるんだけど、彼にとっては、書かれているもの全てに一貫性があったんだ。”Baby Wants To Ride”のオリジナルには、ものすごい量の歌詞が含まれていたんだ。
Jamie Principleの作品を初めて聴いた時のあなたのリアクションは?
実はあの曲を作った時、僕は既にJamieをスタジオに連れ出して録音させた時だったんだ。シカゴ郊外に小さなスタジオがあって、そこで僕は "Let No Man Put Asunder"もミックスしたんだ。以前と違って、レコーディングをするにあたって、この曲とどういう風に向き合っていくべきか分からなかったんだ。まわりにも手伝ってくれるエンジニアがいたんだけど、それがフラストレーションでもあった。僕が表現したかったものを、どのように彼等に伝えるべきか分からなかったんだよ。
でもベストはつくしたよ。全てのセッションが終わって、 "Waiting On My Angel"の作業が終わったあとにエンジニアの一人に言われたんだ。「お前と作業すると、フラストレーションがとても溜まったよ。でも、君は欲しいものが分かっていたんだな。今聴いてみると」って。まぁ、彼等はロンのレコードを指していたんだと思うけど(笑)
Sound Factoryのテーマ曲みたいなもんだったよ。土曜日の夜、"The Whistle Song"、"I'll Be Your Friend"、"Where Love Lives"、"The Pressure"、 Those Guysの"Tonight" 、Black Science Orchestraの"Where Were You" この7作が 「The House Sound of New York」を形成していたんだ。この7曲があれば素晴らしい夜が過ごせる。僕にとってのお気に入りの曲でもあるよ。Ashley Beedleは本当に良い仕事をしていたね。
でも、プロダクションから遠ざかるごとに、自分の体調も崩れていった。そんな時に Hercules & The Love Affairが "Blind"のリミックスをしないかって提案してくれたんだ。彼等は、DefMixみたいな音を作ってくれと頼んできた。冗談かと思ったよ。DefMixのようなサウンドなんて全然流行っていなかったから。ミックスをしてほしいという彼らの意欲は伝わったし、僕は病気だった。だから挽回のチャンスだと思ったね。僕の状態が良くなるまで待ってくれるとも言ってくれたんだ。
体調が良くなるとすぐに、再び音楽の道へ戻った。六ヶ月も待っていてくれた彼等に今更出来ないなんて言えなかったしね。Eric Kupperにプログラミングなどの作業を任せたよ。レコードが発売された時、僕はギリシャにいて、リリースされていたのも知らなかったんだけど、会う人皆にリリースについて聞かれたよ。驚いた。長い話を短くするとそんな感じだ。Hercules & The Love Affairには本当に感謝しているよ。僕の愛の傑作だ。
Larryが究極のDJと呼ばれる理由は、彼は本当に何でも回すからだよ。真夜中に Orchestral Manoeuvres In The Darkの "Dancing"をかける。とってもかっこいい曲なんだ。とてもエレクトロニックで、この世のものとは思えないほど美しい。サウンドシステムを試すのにもとても良い一曲で、部屋中をかき巡るような音なんだ。ああいったものを彼はSylvesteの "Mighty Real"みたいなものの後のかけるんだ。お客さんの興奮の波を整えると同時に自分自身もそこに吸収されていく。もし、ドラッグなんて取っていたら、戻ってこれないよ。彼はそういった事をするやつだった。僕はもっとプレイの中に登場する音楽の旅を意識するかな。聴いている人に伝えたいことを音で発信するんだ。